【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ18)

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18ボルトページ18

そして、お祭りの日当日

貴「ちょ、いづみ痛い…」

監「あらごめんね。
ほら出来た！」

いづみに手鏡を渡され、恐る恐る見た。

監「今風のフワフワアップにしてみたよ！
上手く出来てよかった！」

貴「…いづみ」

監「ん？」

貴「あんたいつからそんな女子力身につけたの」

監「失礼だな」

椅子から立ち、全身鏡で自分の姿を改めて見つめた。

貴「やっぱりおかしいよ…
こんなんじゃ人前に出れない…」

監「大丈夫大丈夫！
A元がいいから何でも似合う！」

貴「いやそうじゃなくて」

監「ほら行くよ！」

いづみは私の腕を引っ張り、部屋から出た。

監「お待たせ～！」

一「おっ！監督ちゃん浴衣マジかわ！」

私はいづみの後ろに隠れた。

無理！マジ無理！

メイドの時みたいに笑われる！！

幸「何してんの？早く出て来いって！」

貴「ちょ、あぁ！」

幸ちゃんに引っ張られ、トントンとよろついた。

ハッ！として急いで顔を上げると、みんなこちらを見ていた。

終わった。

一「や、やばくない！？ほんとにAちゃん！？」

貴「う、うん」

一「メイクしてるし、髪結んでるし、浴衣だし！
マジ可愛いよ！ちょー似合ってるよ！！」

貴「へ」

椋「ほんとに似合ってますよ！
まるで少女マンガのヒロインみたいです！」

太「Aちゃん最高ッス！
大人の色気ッスね！」

密「いいと思う…」

私は堪えきれずに、へにゃっと笑った。

貴「ありがとう…」

紬「……本当に、綺麗ですね」

貴「え？」

一「ねぇねぇ一緒に写メろーよ！
インステ上げたら絶対好評だって！」

一成くんが私の腕を引いた。

今、綺麗って…

一「Aちゃん？」

貴「あ、うん、いいよ！」

一「まずツーショねん！」

顔の横でピースを作り、一成くんと頭をくっつけた。

一成くんにはドキドキしないんだけどな。

一「次みんなで！！
撮るよ～！！」

紬「隣失礼します」

貴「あ、はい！」

紬さんが隣に来ると、

一「つむつむ見きれてるよ！
もっと寄って！」

紬「こ、こんな感じ？」

スッ、と紬さんが近づき、距離が０になった。

口から心臓が出そうなぐらいドキドキしていた。

一「OK！
ありがとう！」

紬「ごめんなさいAさん…
突然くっついてしまって」

貴「いえ！」

もう少しだけ、なんて思う私は変人だろうか。

最近まで、恋なんてと思っていたけど

もしかして自分が守るのに必死だったのかな…