【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ17)

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17ボルトページ17

幸「はいできた」

シャッ！とカーテンが開かれると、いづみが満面の笑みで振り返った。

監「とっても似合ってるよ！！」

貴「そ、そう…？
帯苦しいけど…」

ほぼ初めてに等しい浴衣を身にまとった私は、逆に浴衣に負けてるように見えた。

幸「それにこの下駄と、髪飾り、髪型はアップにすれば完璧」

監「さすが幸くん！
じゃあもうこれでいいね！」

貴「私に拒否権はなしか」

幸「当たり前でしょ」

私は浴衣を脱ごうとカーテンを閉めた。

ふと鏡を見ると、全く違う自分が映っていた。

貴「…可愛いじゃん」

紬さん、可愛いって言ってくれるかな…

貴「ん？紬さん？」

なんで紬さんが出てくるんだよ。

早く脱ご。

監「は～！いい買い物した！
幸くんも浴衣選び付き合ってくれてありがとう！」

幸「どーいたしまして」

貴「…ありがとね」

幸「ちゃんと着てよね。
俺が選んであげたんだから」

貴「はーい」

けど、少し楽しみかな。

夏祭り。

監「どうしたの？」

貴「え、なんで？」

監「浴衣見て笑ってるからさ。
まさか好きな人出来た？」

貴「なわけ！」

監「なんだ～」

恋なんて、自分が満たされたいってだけの生理現象でしょ。

恋って充電見たいなモンじゃない？

一緒にいると満たされて、充電が出来る。

けれど充電器って、同じもの使い続けるとダメになる。

だからほかの充電器に浮気する。

浮気された充電コードは、使われないまま放置されるんだ。

まだ使えるのに…

監「A？大丈夫？」

貴「え、あ、ごめん」

まだ引きずってるあたり、私も弱いな