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第4話 ページ4

貴「………」


4月の進級以来、学校を欠席していた私にとって登校は緊張そのもの。

そしてかれこれ5分、校門の前で動けずにいた。


どうしよう

緊張して足が…

う、動いて…!


その時


天「A?」

貴「!」


後ろを振り返ると、皇さんと赤髪の青年が並んでいた。


貴「ひぃっ!!」

天「お、おい待て!怖がるな!」

貴「ご、ごめんなさい…」

?「可愛い子ッスね!
新入生ッスか?」

貴「いえ、そういう訳では…」

太「あれ?違うの?
まぁいいや!俺、七尾太一!」

貴「瑠璃川、Aです」

太「瑠璃川?
もしかして、幸ちゃんのお姉さん?」

貴「はい」

太「スッゲー!!
めっちゃ可愛い子ッス〜!」

天「おい、朝からナンパすんな!
で、どうしたんだよ」

貴「お、お恥ずかしながら、緊張して前に進めなくて…」

天「は?」

太「きん、ちょう?」


私はワッ!と両手で顔を隠した。


貴「そうですよね…!
変な人だって思われてしまいますよね!」

天「落ち着けって!」

太「幸ちゃんと全然違うッスね…」


指の間から皇さんと七尾さんを見ると、さらに胸の緊張が増した。


貴「ごめんなさい…
今日は帰ります…!」

太「待って待って!」


チラッと指の隙間から覗くと、七尾さんが優しく微笑んでいた。


太「大丈夫!なーんにも怖くないッスよ!
だから一緒に行こ!」

貴「…でも」

天「ほら、遅刻するぞ?」


私は手を外し、大きくうなずいた。


さっきまですくんで出なかった1歩が、まるで雲のように軽々と出た。


太「やった!そのまま教室までGOGO!!」

貴「あ、私職員室なんです」

太「ありゃ…
じゃあ職員室までGO!」


一生懸命元気づけてくれる七尾さんを見て、私は少し笑った。

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華ヶ崎レオ(プロフ) - みこはんさん» ありがとうございます!とっっっても嬉しいです!初めはこんな結末じゃなかったので、大丈夫かなと心配でしたがそう言っていただけて安心しました!(*´-`*) (2017年8月1日 0時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
みこはん(プロフ) - 何回見ても泣けます(´;ω;`)たった36話でここまで中身の濃い小説はなかなか見ないので凄いと思いました!次の作品も楽しみにしてます。 (2017年8月1日 0時) (レス) id: af3c32f75f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2017年7月17日 22時

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