【ヒロアカ】ヒーローって２ (ページ9)

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第9話母の個性ページ9

ー柊木Aー

出久くんが来てくれて安心した。

そして、強かった。

出久くんの“個性”、かっこいい……

まるでオールマイトを見ているようだった。

おかさんも少しずつではあるが怯んできてる。

貴「出久くん！」

出「何？」

貴「おかさんの目を三秒見てはいけないよ。
あの人の“個性”は、目を三秒見つめた相手の記憶を好きなように矯正してしまうの。
一応元には戻るんだけど、矯正されてる時の記憶はないから気をつけて！」

出「わかった！」

おかさん、素手なのにどうしてそんなに強いの……

母「しつこいわね…
仕方ないわ、使いたくなかったけど」

お母さんは、投げ捨てた傘を持った。

すると持ち手がスーと抜け、そこからは長い日本刀が現れた。

貴「それは！！」

母「えぇ、見覚えあるでしょ？
あなたのお父さんのものよ。」

貴「何故それを…」

母「あなたのために頂いたのよ。」

まずい。

非常にまずい。

おかさんは出久くんに向かって刀を振るった。

母「終わりよ」

私は出久くんを抱きしめた。

出「え……？」

貴「うっ…ああぁ……！」

背中から血飛沫が飛び、ぱっくりと傷が開かれた。

母「ち…」

出「な、なんで…」

私はゼーハー息をしながら言った。

貴「出久くんには、生きてて欲しい、から、」

糸が切れたように出久くんに倒れ込み、腕の力が抜けた。

一面水たまりと化した道路に、私の血の川が流れる。

出久くんは私と共に座り込み、抱き締めるように傷口を両手で押さえてくれた。

貴「聞いて…
あの刀は、どんなものでも、斬り裂いてしまう…
あの刀に触れては、ダメだよ…」

出「ま、待って、まだ…！」

貴「出久くん、ごめんね…
巻き込んでしまって、ごめんね……」

出久くん

出久くん、生きて

貴「私は大丈夫…
大丈夫だか」

私は眠るように意識を手放した。