【ヒロアカ】ヒーローって２ (ページ8)

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第8話ヒーローだからページ8

出「Aさん！！」

僕はAさんに駆け寄り、上半身を抱き上げた。

ぐったりとしており、目を開けない…

制服は破れ、そこから血が滲み出ていた。

血が流れていないところが少ないぐらい、無残にもやられていた。

母「あらぁ、あの時のお友達」

出「！」

母「ごめんなさいね、これからその子と家に帰るの。
そこをどいてくれる？」

出「嫌だ！」

母「…親子との間に首を突っ込まないでくれるかしら」

出「それも、嫌だ」

その時、ギュッと僕の手をAさんの手が掴んだ。

行きたくない。

そう訴えているように聞こえた。

母「あぁ、あなたがAをヒーローの道へ誘導させたのね…
なんで？ねぇ、なんで？
上手くいってたのに、上手くいってたはずなのに、なんで邪魔をしたの？」

出「それは、この子が助けを求めてたから…」

母「助け？
何故そう分かるの？」

出「だって」

だって

出「ヒーローだから！！」

母「……はっ」

Aさんのお母さんは鼻で笑い、ゆっくりと近づいてきた。

母「半端もんのヒーローなんて、ヒーローなんかじゃないわ。
ただのにわかの発言よ、なりきりよ。
可哀想に、あなたも幻覚を見てるのね。」

ゾクッ！と背筋が凍り、その場から動けなくなった。

母「仕方ない、私が“矯正(ただ)”してあげるわ。」

彼女の手が僕の目を覆うとした瞬間

母「うっ」

手が、弾かれた

貴「出久くんに、触らないで…」

母「この…！」

出「Aさん……！！」

Aさんは僕の腕から素早く離れ、お母さんを蹴り飛ばした。

母「…！」

貴「もう罪悪感なんて感じないよ。
私の目の前にいるのはおかさんじゃない、敵(ヴィラン)なんだから。」

母「……へぇ」

腕を十字にして蹴りを受けた彼女は、ニヤリと笑った。

貴「来ちゃダメだって言ったのに！」

出「……ごめん」

貴「……でもありがとう。
おかげで連れてかれずにすんだ。」

僕は笑みがこぼれた。

貴「出久くん、戦える？」

出「うん！」

母「許さない…
何が何でも連れ戻す……！！」