【ヒロアカ】ヒーローって２ (ページ22)

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第22話涙ページ22

2人の体が離れると、麗日さんは糸の切れたあやつり人形のようにガクン！と崩れた。

それをAさんがすぐ受け止めた。

貴「お父さん、お茶子ちゃんってね、すごくいい子なんだよ。
きっといい器になってくれると思うの」

父「そうか、いい友達をもったな、A」

行こうか、とAさんのお父さんは手を指し伸ばした。

爆「行かせる訳ねーだろ！！」

かっちゃんが彼の背後にまわり、思いっきり飛び上がった。

父「A」

貴「任せて」

緑「や、やめろ！！」

僕はAさんの前に立ち塞がった。

左肩に激痛が走った。

貴「……」

Aさんの放った酸素弾が命中したのだ。

緑「く…うぅぅう……！！」

あまりの痛みに縮こまり、脂汗と冷や汗がダラダラと流れた。

その時

貴「……私」

顔を上げると、Aさんは泣いていた。

紫色の涙を嗚咽もせずに流し、片目がいつもの綺麗な澄んだ目に戻っていた。

父「まさかお前…！」

貴「……ごめんなさい」

Aさんは麗日さんをゆっくりその場に寝かせた。

貴「うぅ…私、なんて…ことを……
嫌、やめて…やめない、ヒーローに、なり、ならな、なる……」

まさか

Aさんは戦っている…のか？

貴「敵(ヴィラン)…ヒーロー……
私、私は……」

パンッ！！！

緑「……え」

一瞬目の前で起こっている事が分からなかった。

爆「いい加減目ぇ覚ましやがれ！！
鬱陶しいんだよクソが！！！」

かっちゃんが、Aさんの頬を平手打ちしていた。

貴「うっ…」

Aさんから紫の霧が抜けていく。

貴「……爆豪くん…？」

爆「おう、やっと戻ったか」

Aさんは僕らを見て小さく震えた。

貴「私、そんな…」

爆「後悔する暇あんなら親父ぶっ飛ばせよ」

貴「……」

お「……そうやで、Aちゃん」

声がした方を見ると、麗日さんが上半身だけ起こしていた。

お「私らは大丈夫だから。」

貴「お茶子ちゃん…」

緑「よかった…」

僕はホッとため息を吐いた。