【ヒロアカ】ヒーローって２ (ページ13)

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第13話傷跡ページ13

ー緑谷出久ー

リ「チユ～～～～！！！」

雄英高校、保健室

今、Aさんはリカバリーガールの元で治療を受けている。

リ「ほい、終わったよ。」

出「あ、ありがとうございます！」

扉が開かれ、中に入った。

そこには静かに眠るAさんの姿…

リ「背中の大きな傷以外は完璧に治ったよ。
けど、そこだけは完治に時間がかかりそうだね。」

出「そうですか…」

リ「それに、こんなに大きいと跡も…
女の子にこんな大きな傷跡が残るとは…」

あれからAさんのお母さんは救急車で運ばれ、命だけは助かるそうだ。

救急車で運ばれていくお母さんを見送った瞬間、Aさんは倒れてしまった。

リ「私は先生に報告してくるからね。
ここで待ってるんだよ」

出「はい」

ベッド横の椅子に座ると、Aさんの体に包帯が何重にも巻かれているのが見えた。

かなり無理をしていたんだ…

出「ごめん…」

貴「どうして出久くんが謝るの？」

出「へ！？」

顔を上げると、Aさんがのっそりと起き上がっていた。

貴「謝るのはこっちだよ」

出「お、起き上がってもいいの！？」

貴「大丈夫」

Aさんは傍に置いてあったブレザーを肩にかけた。

貴「巻き込んでしまってほんとにごめん。
出久くんにも怪我をさせてしまった…」

出「いや、僕なんかよりAさんの方が！」

貴「だから大丈夫だって。」

そう微笑む彼女の至る所に見える火傷の跡

あの火災事件の時に出来たものだろうか。

貴「あーぁ、また傷跡が増えた…」

出「やっぱ嫌だ…よね……？
女の子だし……」

すると、Aさんはニカッと笑った。

貴「嫌じゃないよ。
傷跡の多いヒーローは、たくさん人を助けたって証だもん！
むしろ嬉しい！」

トクン…と心臓が大きく脈打った。

貴「どうしたの？
ボーッとして……」

出「あ、いや別に何も！！」

貴「でも……」

キュッ…とブレザーを掴み、俯くAさん。

貴「傷跡だらけの女の子って、やっぱりダメかな…
男の子に引かれちゃう…かもだよね…」

出「……そ、そんなことない！」

僕は少し大きな声で言った。

出「僕はいいと思うよ！
カッコイイって思うし、すごいなって思う！
それに僕は…」

それでも好きだよ

その言葉をゴクリと飲み込み、「勲章みたいで、カッコイイ」と言った。

貴「勲章…
ありがとう、出久くん」

あぁ、どうしよう。

たまらなく好きだなぁ……