【ヒロアカ】ヒーローって２ (ページ12)

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第12話操りの敵ページ12

貴「え…？」

爆「な、んだあれ…」

おかさんの口から吐き出される紫色の煙は、上空で丸く集められた。

完全に吐き出されると、おかさんは地面に倒れた。

？「なんで私が…こんな子供に……」

貴「あなたは誰…？
どうしておかさんに…」

？「私は操りの“個性”を持った敵(ヴィラン)よ。
せっかくいい“個性”を持った体を見つけたのに…！」

いつの間に…いつからおかさんにいたんだ…

？「あなたのせいよ！！
あなたにも私の闇を飲ませておけばよかった！でもまだ終わってないんだから！！
まだ、手は打ってあるんだから！！」

操りの敵(ヴィラン)は、シュウゥ……と音を立てて消えた。

終わった…

貴「おかさん！」

私はおかさんに駆け寄り、体を抱き起こした。

母「…A…？」

貴「おかさん！」

母「ごめんね…
ずっと、辛い思いさせて…」

薄く開かれたおかさんの目は、美しく輝いていた。

母「あの敵(ヴィラン)に、おかさん適わなかった…
Aだけは、と必死に抵抗してたけど、ダメだった……」

貴「なんで…」

母「あの、『敵(ヴィラン)集団テロ事件』よ」

あの時から……！？

母「Aが人質に取られた時、助けに行こうとおとさんと立ち向かったの。
けど、途中でおとさんとはぐれた時、あの敵(ヴィラン)が私の中に入ってきた…」

おかさんはゆっくり、思い出すように話してくれた。

母「その時、オールマイトがあなたを助け、あなたは“個性”が目覚めた。
私の中の敵(ヴィラン)は、Aにも“個性”を使おうとした。
だから私、必死でその敵(ヴィラン)に“個性”を使い続けた」

「あなたはAに手を出してはいけない」って命令された、と。

私は涙が流れ、止まらなかった。

母「おとさんが、危ない」

貴「え？」

母「おとさんにも、その敵(ヴィラン)は取り付いてる。
きっとあのテロ事件ではぐれた時に…
早く、解放してあげなきゃ、あの人は完全に敵(ヴィラン)のものに…」

おかさんは痛みに顔を歪ませながら、必死に話を続けた。

貴「……わかった。」

母「…お、ねがい……ね」

おかさんは私の頭をそっと撫でた。

母「今まで、ごめんなさい…
あなたは、私の…ヒーローよ」

おかさんの手が頭から落ち、目が閉じられた。