第8話 大丈夫 ページ8
中に入ると、カーテンで遮られた空間が一つだけあった。
規則的な電子音が中から聞こえる。
カーテンを開けると、酸素マスクをつけてぐったりと眠るAちゃんの姿。
「意識と呼吸は回復しました。
ご安心ください。」
美「そうですか…」
監「Aちゃん」
名前を呼ぶと、うっすらと目を開けた。
貴「……」
美「Aちゃん私よ、美和子よ」
Aちゃんは私達を見て、少しだけ口角を上げた。
私はホッと胸をなで下ろした。
監「気分はどう？」
貴「…まだ、頭がボーッとする……」
掠れた小さな声だった。
貴「私、覚えてないんです…
声が出なくなって、苦しくて、体が大きく震えてから何も……」
美「……Aちゃん、落ち着いて聞いて。」
美和子さんは、Aちゃんに2年前の事故のことを伝えた。
Aちゃんは一瞬目を大きく開いたが、すぐに落ち着いた顔に戻った。
貴「全然覚えてない…」
美「私達も隠しててごめんなさい。
分かってたことなのに、安心しきって伝えるのが遅れてしまった…」
貴「大丈夫…
起こってしまったことは、もう仕方ないですから……」
三「A、大丈夫？」
貴「三角くん、驚かてしまってすみません…」
三「ううん。
大丈夫だよ〜。」
「失礼します。」
カルテを持ったお医者様が入り、Aちゃんの様子を見て微笑んだ。
「呼吸も安定してきましたね。
よかったです。
彼女はてんかん持ちではないそうですが、他に持病などはございますか？」
美「2年前、事故で頭を数針縫う怪我をしています」
「そうですか。
この2年間同じようなことは？」
美「ありません」
「……普通2年ほど経つと痙攣などは無くなるのですが、ごく稀に突然起こることがあるんです。」
監「そうなんだ…」
「でももう大丈夫です。
痙攣の時間も短かったので、後遺症などは残りません。
痙攣も起こりにくくなるでしょう。」
美「ありがとうございます…」
「ですが必ず起こらないということではないので、注意していてください。
痙攣を抑える薬を1ヶ月ほど出します。
薬がなくなり次第また来てください。」
監「わかりました。
ありがとうございます。」
「今日は１日だけ入院して、明日の昼頃退院しましょう。」
お医者様はニッコリ笑って、カルテに書き込んだ。
美「１日だけで、いいんですか？」
「症状も軽かったので、大丈夫ですよ。」
あれでも軽い方なんだ…
私はAちゃんを見て唇を結んだ。
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杏仁豆腐(プロフ) - 華ヶ崎レオさん» そうなんですね！更新待ってます。頑張ってください！応援しています！ (2017年10月10日 15時) (
レス) id: 055d45d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 杏仁豆腐さん» コメントありがとうございます！そうですね…長い間放置しすぎてましたね…今の小説が書き終えたらまたこちらを更新していこうかなと思います！ (2017年10月10日 14時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(プロフ) - こんにちは！この作品とても面白くて何回も繰り返して読んでます！お忙しいとは思いますが更新して頂けると嬉しいです！続き楽しみにしています！ (2017年10月9日 13時) (レス) id: 055d45d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - 若さん» ありがとうございます！！すごく嬉しいです…！頑張って更新せねば…！ (2017年4月16日 17時) (レス) id: d996b1af9d (このIDを非表示/違反報告)
若 - 遊園地デート（？）も楽しみなんですが、お父様との展開がとっても気になります!!更新心から楽しみにしています! (2017年4月16日 11時) (レス) id: 0ee8e816b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2017年4月5日 20時
