【A3!】ぐらぐらに揺らいで

第1話 練習 ページ1

久しぶりに夜中まで演技の練習を稽古室でやった。


監督さんは、「前みたいにならないでね？」と言って許してくれた。


ゴロンと床に寝そべり、息を整えた。


明日休みだから心置き無く練習ができる。


貴「……」


その時


真「ここで寝ると風邪引く」

貴「わっ！」


ガバッと起き上がると、真澄くんがしゃがんで微笑んでいた。


貴「真澄くん…？
起きてて大丈夫なんですか……？」

真「水飲みに起きただけだから。」

貴「そうですか。」


私は起き上がり、汗をタオルで拭った。


真「練習、付き合おうか」

貴「大丈夫ですよ。
真澄くん、明日学校でしょ？」

真「……早く卒業したい」

貴「ふふふ、頑張ってください。」

真「Aが英語の先生として来てくれたら頑張る」

貴「うーん…難しいですね…」


真澄くんはしゅん…と眉を下げた。


貴「でも、私真澄くんの制服姿好きですよ。」

真「ほんと…？」


犬みたいだなぁ……


私は頷いた。


真澄くんは私の腰に手をまわし、体を抱き寄せた。


真「大好き…」

貴「ま、待ってください…
私まだお風呂とか入ってないです…！」


私は真澄くんの体を離した。


貴「今日はここまでにします。
一緒に寮に戻りましょうか。」

真「……うん」


稽古室の電気を切り、真澄くんと部屋に戻った。


貴「じゃあ私はお風呂に入ってきますね。」

真「うん、おやすみ」

貴「おやすみなさい。」


真澄くんの背中を見送ると、少し寂しくなった。

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