第10話 ページ10
貴「じゃあ行ってくるから！
ゴースト達もお留守番よろしく」
ゴ「いってらっしゃ〜い」
傘をさし、暗い道を進む。
心もとない街灯がさらに心もとなく感じる。
昨日迎えに来てもらったし、私も行かないわけには…
貴「そういえば今日から一般公開だったっけ。
また忙しくなるんだろうなぁ」
ラウンジが近くなるとなんだかドキドキし始めた。
お店が見え始めると、出入口にお客さんが2人立っていた。
貴「…」
女性のお客さん2名の対応をフロイド先輩がしている。
それはそれは優しい顔で、楽しげに笑って、あんな顔も出来るんだ〜って思ってしまうほど…
接客モードなんだろうけど、なんだろうけど
貴「複雑な気持ちになっちったなぁ」
女性のお客さんもフロイド先輩にすごい攻めていくし、まぁ好きなんだろう。
顔いいしな…わかるよ。
お客さんが去り、見えなくなったところでフロイド先輩に話しかけた。
貴「先輩」
フロ「あっ！小エビちゃ〜ん！
来てくれたの？」
貴「雨降ってるんで、傘無いと思って」
フロ「俺平気だよ？
でもありがと」
先輩は傘を受け取って、あはっ！と笑った。
貴「お客さんの対応お疲れ様っす」
フロ「見てたんだ。
あの子たち一般公開の日は絶対来てくれるんだよね。
沢山頼んでくれるし」
貴「そーなんすね」
フロ「だからそれなりに対応しなきゃなんなくてさ。
近々部活の試合もあるから来てねーって話もした」
えっ、何その話。
私知らない。
貴「試合あるんすね」
フロ「カニちゃんから聞いてない？」
貴「全く」
フロ「そっか〜」
なんか、腹立つな。
私はお疲れ様っした、と軽く頭を下げて帰ろうとした。
フロ「え、待って待って、一緒に帰ろーよ」
貴「傘届けに来ただけなんで」
フロ「そんなこと言わずに！
中で待ってて？」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年4月16日 17時
