第25話 ページ25
貴「やっぱり私、先輩と話してきます」
帰宅中、足を止めてフロイド先輩に言った。
貴「ちゃんと説明しないと、あの人も納得できないだろうし…」
フロ「いんじゃね？もう」
貴「でも、このまま気まずいのも嫌です」
フロ「あいつ追いかけるの？
俺置いて？」
フロイド先輩の顔が明らか不機嫌に変わった。
そりゃ、そうか。
貴「きちんとお話するだけです。
何も無いですから」
フロ「何も無くてもあいつは小エビちゃんに告った時点で俺にはあるの」
貴「お断りしました」
フロ「ならそれでよくね？」
貴「良くないからこんなことになってるんです」
フロ「絶対だめ。行っちゃダメ。」
不機嫌の裏に何かが見え隠れしている。
焦り？不安？
フロ「俺が話すから、小エビちゃんは行かないで」
貴「私じゃないと説得力ないじゃないですか」
フロ「ちゃんと話す！
だから行かないで！」
フロイド先輩が私の腕を掴み、また「行かないで…」とつぶやいた。
貴「…どうして？」
フロ「だ、だって、小エビちゃんが取られたら…
小エビちゃんがあいつと付き合っちゃったら…」
珍しく今日はフロイド先輩の情緒が不安定だ。
フロ「小エビちゃん、まだ俺の事好きじゃないのに」
私はドキッとした。
もしかして私、フロイド先輩を苦しめている…？
好きじゃないって言った言葉をずっと気にして…
そこまでフロイド先輩は私のことを
貴「先輩」
私はフロイド先輩の手を握った。
貴「わかった。
行きません」
フロ「ほんと？」
貴「ただ、改めてお話したい気持ちはあります。
それは許してくれますか？」
フロ「うん」
貴「ありがとう」
伝えてもいいのかな
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年4月16日 17時
