第24話 ページ24
楽しい時間はあっという間で、しん、と静まり返ったラウンジに寂しさを覚えた。
最後のお皿を洗い終え、水を止める。
フロ「終わったー？」
貴「はい」
フロ「じゃあ帰ろーよ」
貴「あ、私ちょっと用があって」
フロ「すぐ終わる？」
貴「多分。
遅かったら先帰っててください」
裏口から外に出ると、先輩が「やあ」と立っていた。
「ごめんね、遅いのに」
貴「いえ」
「あまり引き止める訳にもいかないから単刀直入に。
Aさんが好きです、もし良ければ俺と付き合ってくれませんか？」
私は複雑な思いを抱えながら、彼に謝罪した。
貴「…ごめんなさい」
「そっか、そーだよな。
呼び出してごめんね」
貴「先輩の気持ちは嬉しかったです。
でも、私…」
フロ「ねぇ、なーにしてんの」
ガチャ、と開かれた裏口からフロイド先輩が出てきた。
「リーチ…」
フロ「お前さ、小エビちゃんに告った？」
「…」
フロ「まじ意味わかんねぇ。
だって小エビちゃん、俺の彼女だよ？」
「…え？」
先輩は私の顔を見た。
「だって、え？」
貴「先輩、聞いてください」
「…秘密にしてたんだ？」
貴「してません。
言おうとしたんですけど、でも…」
「もういいよ。
またラウンジでね」
先輩は私たちに背を向けて歩き出した。
フロ「アイツなんなの。
てか人のもんに手出すとか有り得ねーんだけど」
貴「…」
胸が痛い。
なんだか先輩を裏切ってしまったような気がする。
フロ「帰ろっか、小エビちゃん」
貴「…はい」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年4月16日 17時
