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第16話 ページ16

貴「今日も混んでますね」

ジェ「はい。
一般公開日は必ず混みますから」


ラウンジは今日も大繁盛。

おかげで腕と足がパンパンだ。


ジェ「昨日はフロイドがお世話になりましたね」

貴「え?あ、いえ」


昨日のことはよく覚えてる。

思い出すだけでも恥ずかしくなるくらいに。

でも気まずい感じはしなくて、むしろエネルギーになってるような感じだ。


ジェ「フロイドはAさんのこと、ほんとに気に入ってるようで」

貴「え?」

ジェ「兄弟の僕でさえ見たことの無い顔をするんですよ。
こうやってラウンジもサボらず働いてくれますし」

貴「…なんだか照れますね」

ジェ「フロイドのこと、よろしくお願いしますね」

貴「えぇ」


さて。とジェイド先輩は私にドリンクを渡した。


ジェ「新しいお客様ですね。
持って行ってあげてください」

貴「わかりました」







貴「ごゆっくりどうぞ」


ドリンクを提供した流れで空いた机をバッシングした。


ふわっと強めの香水が鼻をくすぐり、顔を向けた。

そこにはあの女性客とフロイド先輩が談笑している光景が。


貴「…平気だもん」


ボソッと呟いてグラスをキッチンに持っていこうとすると、女性客がフロイド先輩の手を握った。


それは…嫌かも。


フロイド先輩も止めることをせず、変わらず笑顔で対応している。


胸が痛い。

相手は客だ、抑えろ。


ガシャンとキッチンにグラスを置くと、ジェイド先輩が声をかけた。


ジェ「Aさん、タイが曲がってますよ」

貴「え?」

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年4月16日 17時

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