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第13話 ページ13
フロ「小エビちゃんひどーい」
貴「当然です」
先輩の脱いだ寮服を畳み、机の上に置いた。
貴「じゃあ、おやすみなさい」
フロ「え？なんで？」
貴「お仕事でお疲れでしょ？
なら早く寝た方がいいです」
フロ「…小エビちゃん、怒ってる？」
ピタッと手を止め、フロイド先輩の方に顔を向けた。
フロ「まだ嫉妬してるの？」
貴「いいえ」
フロ「教えて？」
その顔。
分かってやっているのか？
貴「…先輩、教えてくれなかったじゃないすか」
フロ「何を？」
貴「試合のこと」
フロイド先輩は微笑み、私の頭を優しく撫でた。
フロ「ほんとにカニちゃんから聞いてなかったんだ」
貴「はい」
フロ「そっか」
めんどくさい女だと思う。
都合のいいように自分を正当化しているのは分かってる。
けど
フロ「ねぇ、まだ好きじゃない？」
貴「…人としては好きです」
フロ「人としては、かあ」
好きということを認めるより、飽きられたくないという気持ちの方がとても大きかった。
フロ「ちゅー、してもいい？」
私は少し顔を上げた。
フロイド先輩の手が頬にそえられ、ゆっくり顔が近づく。
フロ「ほんとにいいの？」
今にも触れそうな距離で先輩が言った。
貴「いいよ」
フロ「ん…」
3秒くらいのキスだった。
「もっと」という言葉を飲み込み、心の中に留めるのに必死だった。
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年4月16日 17時
