第28話 信じて ページ28
貴「おいでって…」
私は近づき、右手を差し出した。
貴「ひゃ」
瞬間、視界がグルンと回転した。
気づけば私はフロイドさんに押し倒される形になっていた。
フロ「小エビちゃんって面白いよねえ…
騙されやすいというかさ」
貴「だ、騙さ…れ?」
フロ「あとすっげー分かりやすい。
まじで遊び甲斐あるわ」
遊び…
私で遊んでたんだ…
てことは今までも全部…遊び?
貴「い、今までずっと、ずっと私のこと…」
フロ「と?」
貴「酷い…」
弄ばれた現実に何かが裂けた。
こんな屈辱初めて…
貴「私、あなたのこと信じてたのに」
フロ「うん、そのまま信じてていーんだよ」
貴「そんなこと」
フロ「言われても困る?」
あは、とフロイドさんは笑った。
フロ「何勘違いしてんの?
ほんと面白ーい」
貴「え?」
フロ「そんなん小エビちゃんが好きだからに決まってんじゃん」
貴「…え?」
フロ「好きだから女だってことも言わないこと守ってるし、好きだから一緒にいたし、好きだから小エビちゃんのこと守ってやったし…」
好きだからアズールとジェイドに小エビちゃんのこと話してたし
好きだからギュッて締めたし…
降り注ぐ「好き」に私は頭の中が真っ白になった。
フロ「だからさ、俺の事そのまま信じててよ、ね?」
フロイドさんは私から離れ、体を起こしてくれた。
フロ「小エビちゃん、好きだよ。
ずっとずっとずーーっと好きだったよ」
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年3月10日 22時