【ツイステ】あーぁ、バレちゃった (ページ1)

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第1話泡沫の最後ページ1

「乙咲(おとさき)さま、今日も美しゅうございます…」

声をかけてくれる人達に手を振り、校門をくぐる日常。

「ねぇねぇ、あの乙咲グループのご令嬢、入学式からとても注目されたそうよ」

「まさか新入生代表の挨拶で校長が涙ぐむなんて誰も想像つかないわよねぇ」

「さすがは天下の乙咲グループのご令嬢ですわ」

「私達も見習わねばなりませんわ」

ここは世界の令嬢が集う学園、白銀女学園。

その学園に今年入学した。

父は三ツ星ホテルの総支配人、母は世界をかけるプロピアニストで知らぬものは居ない…らしい。

だからか入学早々、人が私を囲む日々。

「乙咲様、お荷物お持ち致します」

貴「大丈夫、ありがとう」

正直、困る…

だって同級生はもちろん、先生や先輩まで私に近寄ろうとしない。

みんな口を揃えて「乙咲グループのご令嬢様」と言う。

本当は普通の進学校に進みたかったし、友達と帰ったり恋人を作ったり…

そんな日常が欲しかった。

「乙咲様ー！」

教室に着いても名前を呼ばれる。

私はただ笑って手を振り返すしかできない。

いつか、いつかの夢でいいから、名前を呼び合う友達が欲しい。