24枚目 ページ25
エミ「まさかあなたが記憶障害だったなんて…」
貴「私も忘れてたんです。
けど今思い出しました」
覚えた楽譜も、楽器の弾き方も、勉学も、全て覚えは良かった。
けどそれは煙のように消えていった。
貴「エマさんを見る度、あぁ、妹が帰ってきた…ってじわじわと思い始めたんです」
エマ「忘れないためにはどうすればいいの？」
貴「同じことを繰り返すしかないんです」
そう、同じことを繰り返す。
だから私は彼の被写体であることを忘れなかった。
エミ「念の為、検査しましょ？」
貴「大丈夫ですよ。
ここにきて、昔より良くなってる気がするんです」
エミ「そう…
医者としてほっとけないけど、今までのあなたの行動を見てると問題はなさそうね。
もしまた何かあったら言ってちょうだい」
そう言ってエミリーさんは微笑んだ。
2人とバイバイし、部屋に向かった。
何故だろう
妹の笑い声が幻聴として聞こえる
こんなの初めて
ただ歩いてるだけなのに、まるで妹の後ろを追いかけてるみたいだ。
貴「…待って」
歩く足を早め、廊下を走った。
階段を登り、部屋を開け、窓を開けた。
貴「ここは…」
確か物置…
窓を開けたことにより出来た光の道に照らされた、布を被った大きな物に目をひかれた。
布を取るとそれは古いグランドピアノだった。
貴「可哀想に…
埃を被ってずっとここにいたんですね」
椅子の埃を払い、ポロンと弾いてみた。
貴「優しい音色を出してくれるんですね。
なぜあなたの主はこんな所に…」
原因はすぐわかった。
所々音が出なかったり、鍵盤が外れていた。
貴「今、治してあげます」
私は物置を飛び出し、自分の部屋に向かって走った。
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華ヶ崎レオ(プロフ) - みなさん» ありがとうございます！楽器の部分は何気頭ひねりました… (2019年12月17日 0時) (
レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 楽器の描写最高ですね！！ものすごく共感しました！！！話も面白いです！！ (2019年12月15日 0時) (レス) id: fe16bb43ec (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - はすちゃん?さん» 見つけて下さりありがとうございます。こんなにも褒めていただいて光栄でございます。これからも精進して参ります！ (2019年8月31日 20時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
はすちゃん?(プロフ) - 今日見つけて最終話まで見ました。この作品は本当に面白くて、何度も読みたいと思う作品で、すごくストーリーの中に引き寄せられます。最後の最後まで面白さがあり終わり方もとても良かったです。また、キャラ達の感情もわかりやすく書いていたのでスラスラ読めました。 (2019年8月31日 19時) (レス) id: 8e54247537 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - rikaさん» 心が折れそうになっても、貴方様の様な読者様がいるかもしれないと思うと自然と更新ページに進んで更新できました。ほんのに皆様のおかげと言っても過言ではありません… そしてこのような暖かいお言葉も大変励みになります。ほんとうにありがとうございます。 (2019年8月21日 7時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2019年4月23日 5時
