【第五人格】flow down (ページ28)

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第28話ページ28

ーAー

風邪もすっかり良くなり、いつも通りの日常がもどった。

ただ、私が推理に呼ばれなくなったのだけは除いて。

貴「なんでかしら」

そのことについてジョゼフに愚痴っていた。

ジョ「転生が決まったからだよ」

貴「転生ね…」

カチャン、と目の前にティーカップが置かれた。

中には暖かい紅茶が湯気を立てている。

貴「せっかくジョゼフとも会えたってのに、またお別れなんてね」

ジョ「仕方ないよ」

貴「この紅茶ももう飲めないのね」

ジョ「紅茶ならいくらでも飲めるじゃない」

貴「あなたの、紅茶よ」

今日の紅茶は一段と熱い。

そして、濃い。

貴「私何になると思う？」

ジョ「そうだね…
でもまぁ、きっと人間だよ」

貴「人間でなきゃ困るわよ」

眉間にシワを寄せると、ジョゼフは柔らかく微笑んだ。

ジョ「Aも成長したね」

貴「え？」

ジョ「前まではわーわー泣いてたのに、やっと大人になったって感じ」

貴「はぁ！？」

ジョ「おっと、前言撤回しようか」

貴「この！！」

私はジョゼフの足を蹴った。

ジョ「いっ…！！」

貴「ジョゼフなんて嫌い！」

ジョ「久しぶりに聞いた気がする…」