【第五人格】flow down (ページ25)

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第25話ページ25

辛そうに息をしながら眠るAの横に座り、じっと見つめた。

心臓がドッキドッキと大きく脈打ち、変な汗が垂れる。

どうか、どうか目を

あいつみたいに置いてかないで

俺をひとりにしないでくれ。

ジョ「A！？」

バン！と焦った顔のジョゼフが入ってきた。

ナ「う、うるせぇな…
もっと静かに入ってこい」

ジョ「ナワーブくん…」

ジョゼフはAの頬に触れた。

ジョ「ごめん、ごめんね、A…
もっと僕が近くにいてあげれば…」

ナ「…口でならどうとでも言える」

椅子から立ち上がり、ジョゼフを睨み付けるように顔を上げた。

ナ「なんでAのそばにいなかったんだよ」

ジョ「そ、それは…」

ナ「Aにとって、お前は1番近い人間なんだぞ。
それなのになんで離れたんだよ」

ジョ「…確かにそうかもしれない。
彼女を1人のしたのは僕だ」

ナ「もっと見てやれよ、Aのこと」

すると、ジョゼフはかすかに目を細めた。

ジョ「なんで君に言われなきゃいけないの？」

ナ「は？」

ジョ「君は初めAのことを毛嫌いしてたはずだろう？
それが今や真反対。
別にいいんだけど、なんかねぇ」

ナ「悪いのかよ…！」

ジョ「だから別にいいよ？
いいんだけど」

ふふ、と笑うと

ジョ「彼女は君の死んだご友人でも、君自身でも何ものでもない。
もしどちらかに重ねてるなら、やめてくれる？」

気がつけば俺はジョゼフの胸ぐらを掴んでいた。

ナ「てめぇ…！」

ジョ「ん？何？殴るの？
僕を殴ってもなにも解決しないと思うけど」

エミ「ちょっと！何やってるのよ！！」

様子を見に来たエミリーが俺らを引き剥がした。

エミ「喧嘩なら外でやって！
目の前に病人がいるのよ！？」

ナ「…チッ」

ジョゼフから手を離し、医務室を出た。