【第五人格】flow down (ページ18)

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第18話ページ18

貴「そ、それは…」

閉められた扉に背をぶつけた瞬間、顔の両側に手を置かれた。

ナワーブさんの顔がとても近い。

ナ「こういうことだけど？」

私はふっと鼻で笑った。

貴「あらあら、ナワーブさんったら」

グッ！と両腕をもち、上に上げた。

ナ「えっ」

そして体を180度回転させ、ナワーブさんを扉に押し付けた。

貴「形勢逆転ね」

ナ「お、おま」

貴「どうしたの？
さっきまでの威勢は嘘？」

ふふふ、と笑うとナワーブさんの顔がみるみるうちに赤くなった。

貴「もしかして、こういう経験は初めて？
私が教えてあげましょうか」

ナワーブさんは心臓辺りの服をギュッと握りしめ、はっ、はっ、と肩で息をし始めた。

その顔がなんとも初々しく、可愛く見えた。

ナ「や、やめ、」

私は「はは！」と笑い、彼を解放した。

貴「あら意外。
ナワーブさんってほんとにピュアだったのね」

ぴん、と額にデコピンし、扉を開けた。

貴「お相手ならまた今度ね。
可愛いナヴィ」

パタン、と扉を閉めた。

な、なんだったんだ今の…

私は自分の顔を両手で包み、唇を結んだ。

さっきのナワーブさん、すごく可愛かった…

あんなのずるいわ！

貴「…無理…」

どっくんどっくんど自己主張する心臓を押さえ、部屋に走った。