【第五人格】flow down (ページ13)

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第13話ページ13

ーナワーブー

ナ「あーくそ」

朝一の推理で油断していたせいか、ジョゼフに恐怖を貰ってしまった。

初っ端から運が悪い。

ジョ「どうしたの？もう終わり？」

ナ「…るせーな…」

ジョ「このまま出血死させてもいいけど、どうせ起死回生持ってるんでしょ？」

ナ「当たり前だろ」

ジョ「チェイサーなのに、初手吊りで惨めだね」

ナ「いい加減黙れよ…」

ジョ「ま、仕方ないから吊ってあげる」

あーあ、もうすぐで起死回生出来たのに。

ほんとに運が悪い。

ジョゼフが剣を高く振り上げた、その時

キィン…という金属がぶつかる音がした。

ナ「え？」

貴「ジョゼフ！」

ジョ「おっと」

顔を上げるとAがジョゼフの剣を受け止めていた。

貴「ナワーブさん、早く逃げて！」

ナ「お、おま、」

貴「いいから！」

起死回生で立ち上がり、2、3歩後ずさりした。

ジョ「流石A。
練習の成果が出ているね」

貴「うるさいわね！
ジョゼフ、あなたには絶対負けない！」

あれ、ほんとにAなのか？

初陣で引っぱたかれ、めそめそ泣いてた、あの…

瞬間、目の前が過去の映像に切り替わった。

ー「ナワーブ、行け！」ー

自分の前に立つ旧友に手を伸ばしたが、その手は空を掴んだ。

貴「ナヴィ！」

ナ「っ！」

現実に引き戻され、彼女に背を向けて走った。

なんだったんだ、今のは。

ナ「くっそ…」