第12話 ページ12
ーAー
貴「バカバカバカー！！
ジョゼフのバカぁー！！！！」
地面に座り、うわぁぁーん！！と声を上げて泣いた。
ジョ「カスタムに付き合えって言ったのは君でしょ？」
貴「本気出せとは言ってないわ！」
ジョ「本気出してないよ」
貴「嘘つき！
もう嫌いよ！ジョセフなんてきらーーい！！」
ジョ「ならもう辞める？」
その言葉を聞いて手が止まった。
貴「…やめない」
剣を持ち、ゆっくり立ち上がった。
貴「私は、団長…
何があっても諦めない…」
ジョゼフはニコッと笑った。
貴「みんなを助けるんだ…！」
ジョ「Aのそういうとこ、好きだよ」
剣を構え、ジョゼフに向かって走った。
甲高い金属音が耳をつんざく。
ジョ「君のスキルはハンターの攻撃を1度だけ防ぐことが出来る。
ダウン状態から治療してもらえば補充され、時間が経てばまた使える。
機械が苦手だから、解読よりチェイス向きだね」
汗をグッと拭い、ジョゼフと距離を置いた。
ジョ「チェイスの練習をしようか」
貴「…その人を弄ぶような目と微笑みが腹立つ」
ジョ「せっかく練習に付き合ってあげてるのに、ひどいなぁ」
ガクッと膝を着き、肩で息をした。
ほとんど過呼吸になりながらチェイス練習をしていたため、頭が熱くて視界がぼやけている。
ジョ「大丈夫かい？」
貴「こんなの、稽古に、比べれば、なんと、も」
ジョ「今日はもうおしまいにしようか」
貴「ま、まだっ…」
立ち上がろうとしたが、ふら〜と後ろに倒れた。
ジョ「危ない！」
ギリギリの所でジョゼフが抱きとめてくれた。
ジョ「帰ろう」
貴「ジョゼフ…」
そのまま軽々と抱き上げ、ゲートに向かった。
ジョ「この前美味しいクッキーを手に入れたんだ。
それでも食べながら落ち着こう」
貴「……」
ジョ「Aはよく頑張っているよ。
昔と比べて泣く回数が減った」
貴「いちいち見てるの？」
ジョ「Aのことは全部分かるさ」
貴「気持ち悪い、下ろして、嫌い」
ジョ「冗談だよ」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2019年4月7日 19時
