暇を持て余した軍曹の遊び ページ4
「兄貴!」
「捕まえろ!」
「任せろ」
どこから声が聞こえたのか、めいろの前、軍曹の隣に座っていたはずの兄貴の姿がもうない。
一瞬で間合いを詰め、猫犬の足を払う兄貴。うつ伏せに倒れた猫犬の上に足を乗せる。
「ぐえ」
嫌だ嫌だ、と両手両足をじたばたさせる猫犬。それでも兄貴の拘束は振りほどけない。
軍曹は「さっすが兄貴」と口笛を吹き、めいろに向き直った。
「で、めいろさん。生やせるかどうか、答え聞いてへんけど」
「できるよ」
猫犬を笑顔で見つめながら、日本酒をちびちびと飲むめいろ。あっさりと返ってきた答えになんだか拍子抜けしてしまい、「あ、そんなに簡単に出来るん?」と軍曹は聞き返した。
兄貴に全身をくすぐられて「ひゃひゃひゃ!」と爆笑している猫犬は、頑張って無視する。
「いろんな方法があるけど…」
「えー。教えてや」
「猫の細胞を注射し続けて、猫耳が生えるのを待つ。ただし拒絶反応が起きると最悪の場合猫犬がどろどろになる」
「却下!」
「じゃあ、猫犬の細胞を人口猫耳に移植してくっつける。自分の細胞だから拒絶反応もない」
「ええやん。何がだめなの?」
「筋肉と神経を繋げるのに手術がいる」
「あ〜…時間かかるんか…」
暇つぶしなのに手術中私が暇になるじゃん、と呟く軍曹。栗花落はつまらなそうにスマホをいじっている。
めいろは「あ」と目をキラキラさせて軍曹の手を取った。
「じゃあじゃあ、猫犬の細胞、ちょっとだけちょうだい?頬の内側を綿棒でちょっとこするだけでいいから。んで、3日ちょうだい。猫犬専用のタブレットつくってあげるよ。飲んだらメキメキと猫耳が生えるような…」
「そんなこと出来るん?!」
「不穏な擬音語だな」
と栗花落がスマホから顔も上げずに言った。
「出来るかどうか?出来る出来る。きっとね」
「……………」
めいろの最後の一言が不穏極まりなかったが、どうせ暇つぶしだと思い直す軍曹。
「じゃあそれ、やってみよう」
「よっしゃー」
めいろはお猪口をテーブルに置き、元気よく自分の部屋に走っていく。帰ってきた彼女の手にはしっかり綿棒が握られていた。
軍曹とめいろは、兄貴に押さえつけられている猫犬に近づきしゃがみこむ。
「おら猫犬、静かにしろ」
「軍曹…!助けて!」
「猫犬、はい、あーん」
「待ってめいろさん!聞いてたぞ!私の細胞なんてあげないぞ!てかさっきチョコ食べたからチョコの細胞もとれちゃう!」
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めいろ(プロフ) - 天王()以外の第三勢力による作品につきましては「ファンによる二次創作」と称し二次創作タグをつけております。裏天王()が微妙な位置づけのため二次創作とタグ付けしましたが、今回のように誤解を生む可能性を考慮し、二次創作タグを外します。ありがとうございました (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - まるさん» 閲覧&コメントありがとうございます^^身内ネタのため、誤解を与えてしまったようです。当作品は創作でございます。天王()メンバー全員が、自身で作ったキャラクターに自身の名前をつけております。そのためメンバーが作った作品はオリジナルとして出しております。続 (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月25日 21時) (レス) id: e6f4a54f51 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - 猫犬さん» あ!!重傷の人だ!!!笑ありがとう・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年9月23日 23時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - わーい!!!!めっちゃ面白い!続き全裸待機する( ˇωˇ ) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいろ | 作成日時:2018年9月17日 4時