第一次まとも戦争 ページ11
「本当です!」
頷きたい気持ちを目一杯抑え、叫ぶめいろ。
「じのさんが一番まともです!」
ーーその声と、同時に。
「じのさーん、うりさんが盗ってきたデータ早くちょうだいって連絡したんだけどー」
「スマホ見てないのー?」
と。
きゅうりきんぐが出ていった扉が、再び開いて。
「……なんばしよーと」
栗の仮面をかぶった第五裏天王()栗花落と。
「うわ、部屋ぐっちゃぐちゃ。ん?めいろさん、今なんて言った?」
犬の耳を生やした第二裏天王()吉田が、眉をひそめて立っていた。
「じのさんが一番まとも。これ裏常識。知らないの?」
めいろは微動だにしないままーーつまり栗花落や吉田には見向きもせずに、ただひたすらじのを見つめて言った。
「めいろさん…頭でも打った?」
そう言って一歩踏み出そうとする吉田の首根っこを、栗花落が掴む。
「ぐえ」
「待て吉田。見えないのか」
「え?…あー」
目を細め、薄く笑う吉田。
二人にも部屋中に張り巡らされた糸の結界が見えたらしい。
「あんたら二人とも、何してんの……」と栗花落はため息をつく。じのは両手を動かさずに、首だけ向けて二人に笑いかけた。
「めいろさんもうりさんも、自分が一番まともだって言うからさあ。まともは私だよって教えてあげてんの」
「は?じのさんが何だって?」
「そうだそうだ、裏天王()は栗さん以外まともだろ。何言ってんの」と吉田。
「よし吉田殺す」
そっと自慢の得物、モーニングスターを構える栗花落。
吉田は「相変わらず吉田にだけ殺意が高い!」と笑い、両手をぐっと構えた。
「でも栗ちゃん、フロアに入らないとじのさんを倒せないよ」
「そこはお前、自慢のハサミでぶった切れよ」
「あ、そっか」
両手をぱっと開き、腰に手を回す吉田。
愛用の大きな鋏をベルトから引き抜き、両手でじゃきじゃきと動かしてみせた。それぞれデザインの違う、大型の鋏。真ん中がネジのようなもので固定されている。
それと同時にひうんひうん、と再び空気が唸るような音。
じのが糸を回収した音だ。
身動きが取れるようになっためいろがーー文字通り糸が切れたようにーーどさりと音を立てて倒れ込む。
じのはめいろがすぐには立ち上がれないだろうことを横目で確認し、肩をすくめた。
「危ない危ない。糸はいくらでもあるけどさ、そんなほいほい切られちゃたまらないーーよっ!」
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めいろ(プロフ) - 天王()以外の第三勢力による作品につきましては「ファンによる二次創作」と称し二次創作タグをつけております。裏天王()が微妙な位置づけのため二次創作とタグ付けしましたが、今回のように誤解を生む可能性を考慮し、二次創作タグを外します。ありがとうございました (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - まるさん» 閲覧&コメントありがとうございます^^身内ネタのため、誤解を与えてしまったようです。当作品は創作でございます。天王()メンバー全員が、自身で作ったキャラクターに自身の名前をつけております。そのためメンバーが作った作品はオリジナルとして出しております。続 (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月25日 21時) (レス) id: e6f4a54f51 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - 猫犬さん» あ!!重傷の人だ!!!笑ありがとう・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年9月23日 23時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - わーい!!!!めっちゃ面白い!続き全裸待機する( ˇωˇ ) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいろ | 作成日時:2018年9月17日 4時