DIABOLIK LOVERS【心の傷】

エピソード17【レイジ】 ページ20

レイジ「あぁAさん少しこちらへ来てください」
A「え？」
レイジ「聞こえなかったのですか？こちらへ来なさいと言ったのですよ」
A「は…はい」



レイジさん私に何の用かな…？
って言うこともないんだよね…もう慣れちゃったし…



レイジ「この空き部屋の掃除を手伝いなさい」
A「掃除ですか？」
レイジ「長い間使っていないのですがアヤトが荒らしたので…」
A「………みたいですね」



その部屋は泥棒にでも入られたような有り様だった…
窓は割れ、本棚に本は入っていないため、手伝いが欲しくなるのも分かる。


レイジ「まったく……アヤトは」
A「あはは……」
レイジ「はぁ…貴女は本をお願いします」
A「はい」


私は本棚に本を入れ直す。
用件が吸血じゃなくてよかった…。そう思っていた。
この時は………


数時間後…

レイジ「ふぅ…思ったより時間がかかってしまいました……っ」
A「え？…レイジさん！？」



突然レイジさんが私のほうに倒れて来た。急だったためとっさに支えるのが少し辛い。
とてもだるそうで顔をしかめている。



レイジ「す…すみません…私としたことが」
A「ど…どうしたんですかっ？」
レイジ「少し……目眩がしただけなので気にしないでください」



気にするなって…ヴァンパイアが倒れるのは相当無理しているんじゃないのかな……
どうしよう…レイジさん辛そうだし…


A「レイジさん…あの、とりあえず座りましょう…？」


レイジ「気にするなと言ったはずですが？」


私は自分の着ていたワンピースのボタンを少しだけ開けた。


A「……どうぞ」
レイジ「っ…貴女何を言って！？」
A「……だって…無理していたんですよね？」
レイジ「…………後から取り消せませんよ？」


私は一瞬だけ怯んでしまった。
あまりにもレイジさんの顔が辛そうだったから…『餌』を求める『獣』に見えたから…



A「……構いません」


レイジ「…………はっ…ん……ﾁｭｯ…っ…」
A「………っん」


レイジさんは何も言わず鎖骨の辺りに牙を刺して来た…。
でも……優し…過ぎる…体調が良くないからかもしれないけど…吸い方が他の人より全然優しい…



レイジ「………っん…甘い？」
A「自分では……分かりませんが…ね……ん…ぁ」


数分後、レイジさんは良くなったといって部屋を出て行った。

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