113.新作ご披露 ページ40
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A「じゃ、今日はこれで失礼します。」
幾分か明るくなったこまちゃんが鞄を抱えて帰ろうとするのを
ちょっと待った！と、まだ引き止めにかかる俺。
A「二宮さん、さすがにもう行かなきゃ…」
二宮「マジック！今度テレビでやりたいなって思ってる新作あるからさ、見てほしいんだ。」
でも…って渋って断るこまちゃんから鞄を取り上げてソファまで連れて行く。
渋るお客さんをソファに座らせて
演者の自分はローテーブルを挟んで真向かいに胡座で座り込む。
二宮「始めます。」
パラパラ、パラパラとトランプを切り始めたら
困り顔だったこまちゃんが「すごい！すごい！」って手を叩いて褒めてきて。
二宮「あれ？テレビで何回かやってっけど見た事ない？」
A「ないです、たまたま見逃してたのかなー。」
二宮「そ？ならマジシャン二宮和也は初めまして、だな。」
A「そうてすね。ワクワクしてきました(笑)」
二宮「じゃ、トランプ並べまーす。」
新作のマジックはかなり受けがよく
しばらくこまちゃんは「えー、なんで？なんで？」を繰り返してばかりだった。
「テレビでやったらみなさんびっくりしますよ！」なんて太鼓判ももらえて
くふふって笑うと、同じようにこまちゃんも笑う。
見たことないならって色々やって見せると
ソファに座っていたはずのお客さんは床にぺたんと座り込んでローテーブルの上に釘づけになっていた。
ひとつひとつのマジックが終わる度に
えー！ってびっくりしてくれるこまちゃん。
素直な反応に俺もずっと笑いっぱなしだった。
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作者名：みおり
| 作成日時：2014年7月22日 17時
