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112.割れた皿 ページ39
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A「あ、食べ終わりました？」
話し終えてリビングに戻ってきたこまちゃんがそう言って
ダイニングテーブルに携帯を置いて、皿に手を伸ばした。
二宮「うん、ごちそうさま。ありがと。片付けるわ。」
A「いいですよ、私が洗いますから。」
二宮「いや、俺がワガママ言ったのにそれは申し訳ない。」
少しだけだからいいのに、って言うこまちゃんの隣に並んで皿を洗う。
目の前のリング置きにこまちゃんの指輪がひとつ、入っているのが目に入る。
それはいつも右手の薬指に身につけているヤツで
多分、生姜焼きからもらったものなんだろうな…なんて考え事をしていたら
手が滑って、皿がパリン！と割れてしまった。
A「二宮さん！大丈夫ですか？」
二宮「あちゃーごめん、やっちゃった。」
A「触らないでください、私が片付けますから。」
二宮「いやいや、そんなに甘やかされては…」
A「アイドルに怪我されたら困ります。」
二宮「そんな鈍臭くないってば(笑)」
A「お皿割ってるのにその言葉は信じられないなー(笑)」
割れた皿の欠片を拾うときに
ふふふって楽しそうに笑うって、ちょっと違うと思うんだけど。
それでも、さっきまでの沈んでた顔よりずっといい。
やっぱり女の子は
眉間にしわ寄せて悩んでる顔よりか
朗らかに笑ってるほうがうんといいな。
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作者名：みおり
| 作成日時：2014年7月22日 17時
