100.思い出し笑い ページ27
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でも二宮さんは
大きくふーーって息を吐き出して「ごめん」って謝って
私に触れることはしなかった。
携帯を選ばせて、またいつものおふざけみたいに
早くチューして、なんて笑うだけで。
だから私も
あの一瞬はどうかしてたんだって思うことにして
二宮さんの遊びに付き合うことにしたんだ。
当てる気満々で選んだら失敗で
負けてしまっても私からキスなんて、やっぱり出来なくて。
往生際悪く逃げ出した私に
「罰ゲームだから」って明るく笑ってそう言う二宮さん。
そう割り切ればいいかと
おふざけの、遊びの延長なんだからと言い聞かせて頬にキスをしようとしたら
ふわっと一瞬触れてしまった唇と唇。
あそこで顔の向きを変えてくるのが二宮さんなんだってわかっててもびっくりして
慌てて後退りした私を素早く捕まえて
二宮さんから重ねてきた唇。
何度も何度も角度を変えて深く合わさるキスに
ぼぅっとして完全に身を任せた状態だった私を
現実に引き戻してくれたのは桃子からの着信だった。
名残惜しそうに離れてく時の目が頭に焼き付いてる。
行かなきゃねって言った寂しそうな声と
また明日もきてくれる？って訊ねてきた不安そうな声も
ずっと、ずっと耳から離れない。
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桃子「………やだ。思い出し笑いしてる？」
A「……笑ってた？」
桃子「うん、ニマニマと。」
A「………///」
桃子「でも良かった、拓海さんとうまくいってそうで。」
お酒の強い桃子があっという間に中ジョッキをあけていく。
拓海とはあまりしっくりきていないことや
そんな中で一緒に住もうなんて言われてるから、相談したくて呼びだしたのに。
ニコニコ笑ってる桃子に申し訳なくて
実はね……って話しだそうとしたら
桃子の笑顔がさっと消えて神妙な顔つきになって話を始めた。
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作者名：みおり
| 作成日時：2014年7月22日 17時
