91.お酢ブームな彼女 ページ18
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可能な限り毎日、って頼んだら
律儀に毎日来てくれるようになったこまちゃん。
毎日って頼んだところで俺が早く帰られるわけでもなく
必ずしも会えるってわけじゃないけど
あぁ来てくれたんだなってオレンジのノートを見て満足している。
二宮「暑いから野菜をお酢で漬け込んでみました…ってか。ふーん、こまちゃん今お酢ブームだな。」
一口頬張ったきゅうり。
さっぱりとしていて、なかなか旨い。
昨日作ってくれていたアジの南蛮漬けもめちゃくちゃ旨くて
食欲が落ちていたわりに、ぺろっと食べられたっけな。
二宮「バテないようにしなきゃなんねぇもんなー。」
ドラマが終わってもまた別の撮影が始まんだよなーって溢していたことを覚えていてくれてたのかな。
まぁ正直な話、この前彼氏の好物食わされた時は複雑だったけど
こまちゃんにこうやって気遣ってもらえることが
すごくすごく嬉しかったりする。
こまちゃんが彼氏持ちで
プロポーズめいた言葉までもらってるのを聞いて
さすがに、あぁこりゃダメだなって一度は思い止まった気持ち。
でも
ちょっと疑わしいことがありそうな彼氏に
こまちゃんの気持ちは危うくなってんじゃねぇのかなーって。
つけこむ隙はあるんじゃねぇかなーって感じたから
ちょっとずつ、近づいてみることにしてみた。
実家暮らしだとわかったときは少し面倒臭いなって思ったけど
よくよく考えたら…
こまちゃんが、生姜焼きくんと一緒に住んでたっておかしくはなかったんだから……
それはそれでヨシとしよう。
二宮「……旨い。」
ぽり、っともう一口頬張ったきゅうり。
モグモグ噛み砕きながらノートにお礼の言葉を書き込み始めたその時。
ブーン、ブーンと繰り返す音が聞こえてきた。
ああいう音って言えば携帯しか浮かばなくて
自分のかなって慌ててポッケを探るけどそこにはなくて。
そうこうしてる間に音も途絶えてしまってわからなくなった。
ソファに置いたままの鞄の中から見つけた携帯にはなんの着信もなく
音の正体がわからないままウロウロしていたら、再びブーンって響き出した音を感じた。
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作者名：みおり
| 作成日時：2014年7月22日 17時
