15.面影（side N） ページ15
side N
酔い覚ましがてら駅までの道を腕組んで歩いて
途中で「あれかわいい〜」ってディスプレイを指さしたり
「アイスたべたいな〜」ってコンビニの前で立ち止まったり。
端から見たらデート中のカップルみたいな俺達。
和也「アイスは元気なときにしてくださーい。」
A「え〜げんきなのに〜。」
和也「酔いが完全に覚めてからね。そんな綺麗な格好しててゲロったらどうすんの。」
A「……うぅ……」
食べたいなーって残念がる唇が子供みたいにすげぇ尖ってて
反射的にぷって吹き出して笑ってしまう。
和也「なんか片側の腕がすげぇ重たい…」
A「うでくんじゃだめ？」
和也「いや、迷子になると困るからそのままでいいけど。」
A「ぎゅってしないようにする……」
そう言って腕にもたれてくるAの顔を見下ろすと
申し訳なさそうな、複雑な表情をしていたけど
高校生の頃の面影も感じさせつつも……
大人になったな、綺麗になったなと改めて思った。
高校時代は大人しくて、真面目で地味に可愛くて
当の本人は知らないだろうけど、クラスの男子ん中じゃ三番人気だったA。
一番二番の人気は圧倒的で、三番に想いを寄せる人数は僅かでライバルは少なめだった。
でも真面目に勉強してる姿見てたら
そういう想いを伝えるのも迷惑なんじゃないかと感じて
コソコソと図書室に通いつめて
少し離れたところからAの横顔を見るのが当時の俺の精一杯。
当時を懐かしく思い出していると
Aが俺のスーツの袖をきゅっと握りしめて急に立ち止まった。
A「………ふたりだけでにじかいやろっか。」
和也「え？その状態でまだ飲む気？……って、どこ行くわけ？」
グイグイ引っぱられてどこに行くんだ？って思いながらついていく。
和也「え、ここ？」
A「ここでいいんです〜。」
グイグイの先は有名ホテル。
さっきまで同窓会してたところより、ちょい上のクラスの高級ホテルだ。
なんだ、トイレか？なんてことを思いながら
酔ってるくせにフラフラもせず、真っ直ぐフロントに向かうAに結構な力で引っ張られて行く。
トイレの案内板を見つけた俺は
わざわざフロントに聞かなくてもいいよって
あっちに行ったらトイレあるよって声をかけようとしたら
Aは俺がびっくりするような言葉を
ニコニコ笑うフロントのお姉さんにぶつけた。
.
16.目のやり場（side N）→←14.帰りたくない、帰したくない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1867人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ☆(プロフ) - みおりちゃーん！お久しぶり(〃∀〃)！やっぱりみおりちゃんのお話、大好きだな〜と思いながら読んだよ(>艸<)遠回しな二宮さんも好き！京セラはどうだったかな？もちろんHappyになれただろうね！！私は年末に会いに行ってくるよ〜ん！！ (2016年12月6日 6時) (
レス) id: ccd55b831d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - みおりさんのお話がまた読めて嬉しいです。通知が来たのに、もったいなくてすぐに読めませんでした〜。にのソロは本当にやれたなぁ〜と思います。早く映像で見たいですね。 (2016年12月5日 2時) (レス) id: ddb1a03d44 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - みおりさんのお話だいすきなのでまた読めてうれしいですー！過去の作品もめっちゃ読み返して癒されてます笑京セラ参戦うらやましいです！二宮さんソロは確かに生で聞きたいですね、、、泣お体だいじにして、無理しないでくださいね！ (2016年12月4日 21時) (レス) id: 9bb4bb8e9d (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 私も3日入ってきましたー！もうもうやばかったです///そして、ここでの二宮さんもいいですね＾＾薬指ちょんちょんされたいです♪ (2016年12月4日 0時) (レス) id: 1fd63b4fae (このIDを非表示/違反報告)
ｳｯﾁｰ(プロフ) - みおりさんのお話しが読めて感激です。お体も調子がよさそうでよかったです。嵐くんにあえるのですね。二宮君も嵐くんもサイコーに素敵でした(*´∀｀*)そしてお友だちにもよろしくお伝えくださいませ。 (2016年12月3日 14時) (レス) id: 7f541d8bdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みおり
| 作成日時：2016年5月5日 22時
