つまらん ページ2
・
「おい」
突然そういいだした彼の顔をちらりと見ると、
明らかに機嫌が悪く、面白くないと言った顔をしていた。
ちょっとまってね。と言い始めてもう1時間以上彼を1人で待たせている、
先程から痛いほど視線を感じてはいたけど、ことごとく無視を決め込んでいたのだ。
姿は虎杖くんでも今の中身は宿儺、目付きがいつもと違っていて雰囲気も違う。
私は読んでいた旅行ガイドブックを閉じて、
目の前に座っている宿儺の方へ近づく。
・
「…」
『宿儺。』
「…」
『…おーい。』
…
私が無視をしていたせいなのか、もう凄く拗ねている。
宿儺を拗ねさせたり、怒らせたりすると非常にめんどくさいし、怖い。
でも今回は100%私に非があるので私がどうにかして、彼の機嫌を取らなければならない。
あからさまに拗ねている宿儺をみていると少し可愛くて
頬が緩むのが分かる。
『放ったらかしにしてごめんね。』
「…」
『ねぇ…ごめんて』
「…」
ほら!この通りもう、めちゃめちゃめんどくさい。
いくら話しかけても無視。
いやでも自分が悪いから文句言える立場じゃないから仕方ないけど!
にしてもほんとに厄介。
…でもそんな姿が少しかわいい。
本当に呪いの王かと疑いたくなる。
「こい。」
『いいの?』
「構わん。」
こい。そういいながら、あぐらをかいていた足をぽんぽんと叩く。
機嫌がいいのか悪いのか全くわからない。
私は言われるがまま宿儺の足の上に乗る。
向かいあわせで座るような形になり、宿儺の肩に頭を乗せ『機嫌…なおった?』そう聞くと。
「…あぁ。」
『それはよかった…ね?』
無愛想な答えと裏腹に、彼の手はしっかり私の腰に手を添えていた。
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作者名:おむ | 作成日時:2021年1月23日 1時