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緑side
はやく...早く終わって。
こんなこと思ったのは初めてだった。
いつもはもっと続いて欲しい!!って思うのに。
もう立ってるのもしんどいくらい脚が痛いし、なんかフラフラする...頭がくらくらするって言ってもいいかもしれない。
息も苦しいし。
慎「はぁｯ､､...あっ、、」
階段を慎重に降りて行こうとした時、上手く右足に力が入らなくてずるっと滑った。
「あっ」って周りにいたファンのみんなの声と、誰かの声がマイクに入った気がする。
やべ!って思った次には、お尻に重たい痛みがはしった。
「うわぁ...やらかした!」ってそれしか思わなかった。
恥ずかしいとかじゃないの。
「やらかした」なの。
慎「あっ、へへ...!落ちたっ!」
両手を合わせて「すまんすまん!」ってファンのみんなに言いながら、立ち上がろうとしたけど全然立ち上がれない。
ただ尻もちついただけの奴が立ち上がれないなんておかしいって思われちゃう。
慎「んっ...!」
力を入れても全然だめ...
どうしようっ。どうしよう...
「慎ちゃん大丈夫?」「けが...?」って声も聞こえ始めて。
やだやだ!!
泣きたくないのに泣きそうになって、思わず目をぐしぐしって手の甲で拭う。
上手に立てなくて泣きそうなんて、赤ちゃんじゃん。
思い切って立とう、大丈夫。
痛くても我慢出来る。
ここで心配される方が嫌だ。
グッと床についている手に力を込めて立ち上がろうとした時だった。
北「慎太郎、甘えん坊すぎない?」
ジェ「可愛いよねー! 俺たちに起こされるの待ってたのぉ?」
汗だくだくで、少し息が切れてる2人。
たぶん俺のところまで走ってきてくれたんだ。
ジェシーが両手を広げてくれて、北斗は俺の後ろにピタッとくっついてくれて。
樹「おい!ちゃんと歌えよー!!」
高「大我のソロ曲なってんだけど!!」
俺たち3人分のパートをきっと繋いでくれている、樹達の声も聞こえた。
みんな、気づいてたんだ...
慎「...ありがと。」
ジェシーのサングラス越しに見える優しい目。
ほっとして、汗だくなジェシーの胸に飛び込んだ。背中は北斗がしっかり支えてくれて。
ようやく立ち上がることが出来た。
慎「えへへ!!慎太郎ふっかーーーーっつ!!」
キーーーンってハウリングして、大きな笑い声が聞こえた。
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作者名：みかん
| 作成日時：2023年11月4日 22時
