320話 大切だった人 ページ20
フロイドside
Aの手を引いてやってきたのはオンボロ寮
貴｢……どうしてここ…？｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢だって今はアズールのものだし、ここなら誰にも邪魔されねぇし｣
貴｢そうだね……。｣
手を繋いだまま2人で談話室のソファに座る
無言のままのAの手は、やけに冷たい。
顔を見てみれば不安そうな顔をしていた。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢…A元気ない？｣
貴｢うん……。アズールに怒られちゃったから……。
嫌われちゃったかな…。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢大丈夫。今は色々あってアズールもカリカリしてるけど、すぐ治るから。｣
そんな君を安心させるように優しく微笑んで見せる
貴｢…だといいけれど……。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢でもさなんでAはアズールの味方でいるの？｣
貴｢…アズールはね、私の大切だった人に似てるの。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢えー。誰それ。｣
貴｢んー、お兄ちゃんだった人。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢お兄ちゃんが居たの？｣
貴｢うん。アズールはね、どこかお兄ちゃんに似てて、そして私に似ている。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢ふぅん。｣
なんか妬ける
でもなんだろう。だった人って言葉がすごく引っかかる。
もしかして、Aのお兄ちゃんは…
貴｢…でもね、お兄ちゃん、死んじゃったの……。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢…！｣
貴｢だからアズールにはいなくなって欲しくない。
もちろん、ジェイドとフロイド、貴方も大切よ。
だから、居なくならないでね。｣
甘えるように肩に寄り添ってくるAをそのまま抱きしめる
ﾌﾛｲﾄﾞ｢当たり前じゃん。ずっとそばにいてあげる。｣
貴｢ありがとうフロイド…大好きだよ。｣
そう言ってAは、
chu
突然俺の唇を奪った。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢………！！
…Aのばか………急はだめ……｣
突然の事に顔が真っ赤になる…
嬉しいけど凄ェ恥ずかしい…
貴｢照れてるの？可愛いわね…｣
そう言ってニヤリと笑うA
あ、いつものAに戻った。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢A…好き……もっとしよ……？｣
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作者名：ヒスイ | 作成日時：2021年9月4日 1時
