26話 怖いもの ページ26
貴｢だめよ…魔法は使えない。だから助けも呼べない…。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢なら昼寝でもしてようよ｣
貴｢はぁ？！なにそんな呑気なこと言ってるの？
私たち閉じ込められたのよ？！この狭くてくらい部屋に！！｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢だから？どうせあいつら戻ってくんでしょ？
そしたら勝手に開けてくれんじゃん。｣
貴｢それはそうだけど……｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢もしかして、怖い？｣
貴｢…っ…。悪かったわね。弱くて…。暗くて狭いところはダメなの…｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢へぇAにも怖いものがあるんだぁ｣
弱みを知られた恥ずかしさから顔を伏せる…。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢別にいいじゃん。人間にも人魚にも完璧なやつなんていないでしょ｣
貴｢…慰めなんて必要ない…。｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢そっか、ならさ、｣
ふわりとフロイドの香りに包み込まれる。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢これなら怖くないでしょ？｣
それはあまりにも優しくて、暖かい。
貴｢え……。う、うん。怖くない…。｣
暗くて狭いのに、何故か怖くなかった。
だけど初めての温もりに戸惑った。
思い出したから…。昔を…。家族のことを…。
『やめてお母さん！…閉めないで…！私を置いていかないで！！』
『お母さんだなんて呼ばないで！！貴方はもう、私の娘じゃないわ！』
どうして…。ああなっちやったのかな…。
私も、こんなふうに、お母さん達に抱きしめて欲しかった
頑張ったねって、褒めて欲しかっただけなのに…。
貴｢……っ…。｣
何かに縋りたくてフロイドの背中に腕を回した。
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ヒスイ(プロフ) - 名無しさん» 感想ありがとうございます！嬉しいです(*^^*) (2022年9月5日 21時) (
レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
名無し - とっても面白かったです!!思わず、顔がにやけてしまいました! (2022年7月23日 18時) (レス) @page50 id: 47c8a79880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒスイ | 作成日時：2021年7月31日 0時
