32話 ページ32
オンボロ寮の自室にて、
鏡の文字に触れる。
この鏡だけが、彼の存在の証明。
この鏡はきっとループに影響していない…。
だったら…。
形見のピアスを触り、もう一度鏡に触れる
貴「お願い…私をフロイド先輩の所に連れて行って…。」
すると私の願いを聞き入れたかのように周りが光だし
再び鏡の世界に迷いこんだ。
その先に居たのは
彼ではなく、
『迷える人間の子よ、本当に可哀想な子
…泡になった人魚に恋をするなんて。』
それはグレートセブン像にも彫られたあの人。
貴「アースラ？」
彼女ならば、願いを聞き入れてくれるかもしれない……。
貴「お願い……私と契約してください……。
あなたならきっと私の願いを叶えてくれるんでしょう。」
…
ｱ-ｽﾗ「その願いの為に…お前は何を差し出すかい？」
貴「私は、何を失ってもいい。
何を差し出してでも、あの人を…
私の為に消えていったあの人を、救いたい。」
ｱ-ｽﾗ「…分かったよ。
お前の願いは私に通じた。
お前からは対価としてお前の存在の証明をもらおう。」
貴「……存在の証明…？」
ｱ-ｽﾗ「あぁ、全ての世界からお前の居た記憶と証拠を消す。
その彼の存在と取り替えてね…。」
私の存在の代わりに、フロイド先輩を呼び戻す。
答えなんてもう決まっている。
貴「わかりました。それで契約します。」
ｱ-ｽﾗ「…本当にいいのかい？お前を知るものは誰もいないしもう元の世界には二度と帰れないよ。」
貴「それでもいい。
全てがゼロに還るだけ…。何も怖くはない。
大切な人が居ない世界の方が、私はずっと怖いから……。
彼がいるのなれば他には何もいりません」
それが私の答え。
熱意に負けたアースラは目を閉じて頷いた。
ｱ-ｽﾗ「……わかった。契約は成立さ。」
アースラから差し出された契約書にサインする
ｱ-ｽﾗ「今からお前を記憶の海に飛ばすよ。
いいかい。必ず連れて戻ってくるんだよ。」
そして最後に、私の右耳のピアスを指さすアースラ
ｱ-ｽﾗ「それがお前とその人魚を繋ぐ、赤い糸だ。
……決して離すんじゃないよ。」
彼女は優しく微笑んだ。
貴「ありがとう。アースラ…。」
そして再び光に包まれる。
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れいな(プロフ) - ヒスイさん» (ヾﾉ･ω･`)ｲｴｲｴ 寧ろヒスイさんの小説個人的に大好きなので何回も読んでます！これからも頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2021年11月23日 1時) (
レス) id: f1a33a9189 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - れいなさん» れいな様！とっても嬉しいコメントありがとうございますっ！！！更新頑張りますね！！ (2021年10月31日 9時) (レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 切ねぇ！けど､めっちゃ好き！久しぶりにキュンとした！続き楽しみにしてます！ (2021年10月30日 19時) (レス) id: f1a33a9189 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - よしかさん» よしか様！嬉しいコメントに応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！！！ (2021年10月16日 20時) (レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
よしか - こんにちは！これやばいです。応援しています (2021年10月16日 16時) (レス) @page15 id: 509695be84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒスイ | 作成日時：2021年10月13日 9時
