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5話 ページ5

それは突然脳裏によみがえった、前世の記憶。




太陽が月に隠れて空が真っ暗になったその瞬間、




空に空いた大きな穴に吸い込まれるように、頭の中に流れる記憶。





……私は……あいつに……会いに行かなきゃ……。





貴『煉獄……!』





部屋を飛び出し突然降り出した天気雨の中その背中を探す。





夢の中で何度も追いかけたその背中を。





学校に行けば会えるか……でも、今日は休み……。





どこにいる……






その時だった。





「まさか本当にここまで追いかけてくるとは……」





太陽のようなに暖かい声がして、振り返れば




貴「……っ煉獄……!!」




ずっと探していた君がいた。




煉獄「君も思い出したんだな、また会えて嬉しいぞ、A。」





ふわりと笑うソイツの胸を叩く




貴「煉獄…………勝手に死にやがって!!
だからあの時言ったじゃないか!!
私を連れていけと……」




煉獄「うむ。君の予言通りになったな!」




貴「馬鹿野郎……」




煉獄「だが後悔はしていない。

こうしてまた、別の世でみんなと会えたのだ。」




貴「結果オーライって言いたいのか。」




呆れてか、安心してか、



自然と笑みがこぼれる




あんなに降っていた雨も、


すっかり止んでしまった。



月に隠れていた太陽をゆっくり顔をのぞかせ


差し込む光が



貴「眩しい……」


その時だった。



煉獄「……!太陽が……!こっちに来い……!!」




貴「うわっ!!!」




煉獄に引き寄せられ胸に隠される。



貴「な、何を……。
私はもう鬼じゃない。
だから太陽は平気だ……。」



ドキドキを隠すように煉獄から離れる。



煉獄「すまない。つい昔のくせで……。」



貴「いや。ありがとう。覚えてくれていて……。

私、夢だった。お前と太陽の中歩いてみたかった。

太陽は、こんなにも暖かいんだな。」




『前世での私の太陽はお前だった。』




太陽に照らされる虹を見ながらそう思った

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ヒスイ(プロフ) - むつき。さん» むつき。様!ありがとうございます!嬉しいです!!頑張ります!! (2021年10月2日 9時) (レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 初コメ失礼します。すごく素敵でした…その他作品も頑張ってください! (2021年10月2日 1時) (レス) @page15 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒスイ | 作成日時:2021年9月26日 14時

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