【鬼滅の刃】君がため《短編集》2

不死川玄弥『最期の聲』 ページ23

玄弥side(※ネタバレ注意)

(※原作とは違い体消えない設定で。)




人間が死んだ後、最後まで残るのは…聴覚




黒死牟との戦闘後、兄ちゃんとAの泣き叫ぶ声が聞こえる





実弥「玄弥ぁぁぁぁぁ…！！！！！」





貴「どうして…どうして玄弥が…。あんなにいい子をなぜ連れていくの…！」




2人の悲痛な叫びが俺の耳に刺さる


耐えきれなくなって、もう1度目を覚ます。



肉体だけ消えてしまった俺の魂。所謂幽霊というものだ。



俺の亡骸の前で泣き続ける2人。




玄弥｢ごめんねA…。兄ちゃん…。


もっと2人と話したかった。もっと…触れ合えばよかった。｣




聞こえることのない言葉を、呟く。



震える2人の背中に触れようと手を伸ばしても、その手は空をかいて…触りたいのに、触れることさえも阻まれる。




ごめんねA…幸せにできなくて…。


ごめんね兄ちゃん…。素直になれなくて…。



玄弥『ごめん…。』



ふとA振り返った。




貴｢玄弥…？｣




見えるはずのない俺を見てそう問いかけるA。




まさか、最後に神様が時をくれたのだろうか？




ならば伝えなくてはならない。Aに、最期に…




玄弥『A…。ありがとう。ずっと、大好きだ…。』




その言葉を最後に視界がぼやけて行って、だんだんAが見えなくなる




貴｢玄弥…！！！私も！！！ずっと貴方を愛しているわ…！！！｣



微笑み、泣きながらそう叫ぶ君の聲を最期に全てが白になった。



大好きな君の聲を聴覚に焼き付けて…。

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