【鬼滅の刃】君がため《短編集》2

煉獄杏寿郎『約束』 ページ15

貴方side



「行かないで…」



手を伸ばしても、伸ばしても届かなくて…



どんどん遠くに行って光に消えてゆく人影。




「待って！！！煉獄さん！！！」




ﾊｯ…。




目を覚ました私は隣に居る貴方を見て安心する。



夢だったのね…。



それでも少し怖くって煉獄さんに抱き着いた。




「どうした？A」




そう言って優しく笑う彼…




「怖い夢を見たの。…貴方が居なくなる夢を。」




私がそう言うとぎゅっと力強く抱き締め返してくれる…




「案ずるな！俺とAはずっと一緒だ！」




そう言って2人で小指を交わした。




「約束…」




そう言ってくれたのに…。




「どうして…煉獄さん…。」



その悪夢は正夢になった。



私の目の前にあるものは冷たくなった煉獄さん。



「どうして死んじゃったの…私を置いて…

約束したのに…ずっと一緒だって…。」



そう問いかけるも返事が帰ってくることは無い。




「…。そう。約束…したもんね…。だから。

私…煉獄さんを1人にしたりなんか…しないよ…。

一緒に行ってあげる。」



彼の手を取ってしのぶさんから貰っていた例の薬(毒)を口に含む。



こうすれば…ずっと一緒にいられるよね…。



「愛しています…煉獄さん…。」



暗闇の中、1人進む大好きな貴方を追いかけ、その影は2人に重なって…光の中に消えていった。

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