【鬼滅の刃】君がため《短編集》

宇髄天元『素直になれない』2 ページ32

その予感は的中したのだ。



鬼が出たという村、その村人は全て、鬼とグルだった。



村人は鬼に鬼殺隊隊士を生贄として捧げていたのだ。



油断した宇髄さんが村人に取り囲まれ捕まっていた。



鬼ならば斬れば良いが、生きている人間には手を出せない。


拘束された宇髄さんは鬼から攻撃を受けていた。



鬼は食べるのではなく、まるで、鬼殺隊の人間で痛めつけ遊んでいるかのよう。



酷い…。何とかして助けないと…



私は持っていた目くらまし用の煙玉を投げ、鬼の首を切り、急ぎ宇髄さんの元へ駆け寄る…。



体の大きな宇髄さんを何とか担ぎ、村人の目が届かない所へと運ぶ。



宇髄さんの傷は深い…。私は急ぎ鎹鴉に村人と宇髄さんの事を書き記した手紙を託す。



貴「宇髄さん！！死んじゃダメです！！こんな事で死んだら最高に地味ですよ！！！」



私は必死に呼びかける。



宇髄「A…すまねぇ…。派手にダセェよな…。

お前にこんな姿見せたくね…ｹﾞﾎﾞｯ」




吐血する宇髄さん…



貴「お願い死なないで…。」



…私がもっと早くに駆けつけていたら…。


異変に気づいていたら…。そう思うと涙が止まらなかった。



そんな私の涙を優しく拭う宇髄さん。



宇髄「今のお前も…派手に…可愛いじゃねえか…」



なんてこんな時にも冗談を言う…



貴「止血しますから、じっとしてて下さい…」



私は慣れない手つきで出血した箇所の止血を始める。




宇髄「A…好きだ…。」




…なんて死に際に言うようなセリフを吐く宇髄さん…



あぁ…本当は…私も…宇髄さんのことが…



好きだった。




貴「死んだら嫌いになります…。だから生きてください…。

生きて…私を…4人目の花嫁にしてくれるんでしょ…？」




そう言うと宇髄さんに口付けされる。




宇髄「約束だからな。」




そう言って宇髄さんは意識を失った。

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