【鬼滅の刃】君がため《短編集》

時透無一郎『優しさのその中に』2 ページ21

合同任務にて久しぶりに時透君に会った。



時透「久しぶり、A。色々大変だったでしょ？いじめられたりしなかった？」




久しぶりの優しさが嬉しい。だけど、



貴「ありがとう時透君。皆良い人達でいじめられたりもしてないよ！」



こんな幼い子に弱い所は見せられないよ。



だけどそれを見透かしているかのように、



時透「嘘だね。A、無理してるんでしょ？」




貴「そんなこと…」ﾄﾞﾝｯ




時透君から壁に手を付かれる。その眼差しは真剣なものだった。



貴「時透君には…嘘…付けないね…。」




私は諦めたように全てを話した。




時透「A…頑張ったね。僕は旦那さんが羨ましいよ。

こんなに良い奥さんを持っているのに…

Aは凄いと思うよ…よく今まで1人で耐えたね。」




初めて認めてもらえた。初めて褒めてもらえた…。



それが嬉しくて…涙が止まらなかった…。




時透「あーあ。僕だったら君にこんな顔させないのに…。

ねえ、僕と一緒に、駆け落ちしようよ。」




衝撃な告白だった。


だけど。…



貴「時透君…。私には例え仮面であったとしても、旦那と子供が居るから…。ごめんね…。」





それに時透君はまだ幼いし、これからもっとたくさんの出会いがあるはずだから。





時透「分かった。だけど僕は君の味方だからね。」




そう言って優しく頭を撫でてくれた。




味方…その言葉がすごく嬉しかった。

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