【銀魂】君が好き4《短編集》

土方沖田『運命』4 ページ2

「今日はどうしたんですかィ？朝は寝ぼけてて

夕方はこんな所にいるなんて…何かあったんですかィ？」



心配そうに私を見つめる沖田



「…。もしもさ、もしもだよ。

数年後の未来にタイムマシンができて、過去に亡くなった大切な人を助けられるとしたら…どうする？

だけど、未来には大切な家族、子供もいて過去を変えたら未来の保証は無いの。

そんな状況になったら…沖田ならどうする…？」



沖田はしばらく考え込んでいた。



「まずは大切な人を助けてから考えますねィ…。

たとえ未来がどうなろうと…大切な人が死ぬってわかってて、それを助けられるのなら。俺は迷わず助ける。

その後は、元の未来になるように努力すればいい。

過去も未来もどっちも選ぶってずるいですかねィ…」



どっちも…選ぶ…。そうだ…。どっちかなんて選ぶ必要は無いんだ…。



沖田の言葉で肩の重荷が降りた気がした。



「ありがとう…沖田！参考になった…！」



私がそう笑うと沖田は不思議そうな顔をしたけど何も聞いてこなかった。



そう。沖田が死ぬのは中学の卒業式の7日前。



下校中、トラックに轢かれて即死。



その日まで後3日。


運命の日まで変わらなく過ごそう。


未来を変えてしまわないように…。





そして運命の日。


「沖田…あ、あのさ。一緒に帰らない？」


「どうしたんですかィ？急に、」


突然の誘いに首を傾げる沖田。


「い、いいからさ、」


怪しむ沖田を無理矢理教室から連れ出す。


「どこに行くんでさァ。帰り道はこっちでさァ」


「ダメ！！！そっちは！！」


突然叫ぶ私に驚く沖田


「ごめん…そっちは確か今工事中だから回り道しようよ。あ、マック行こうよ」


嘘をつきなんとか誤魔化す。


そして無事生きて、家に送ることが出来た。


「またあした。沖田…。」


「あァ…。またあしたな、如月」


沖田を…救うことが出来た…。本当に良かった…


後は、戻る日まで未来を変えないように過ごすだけ。



だったのに…。


次の日のHR



「昨日未明、○○高校の土方十四郎君が事故により亡くなった。

轢き逃げ事件だ。


監視カメラもなく、轢き逃げ犯もまだ捕まっていない。


そこで、目撃者は居ないか警察から呼びかけがあった。


何か知っていることがあれば、職員室にくるように。」



十四郎さんが…死んだ…。


私は目の前が真っ暗になり、気を失った。

土方沖田『運命』5→←土方沖田『運命』3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す