第二の人生 ページ6
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私が退院してから目まぐるしく過ぎていく日々。
そして、そんな日々を振り返っている暇すらなかった日常。
悪くなった視界に、上手く動かない身体。
それでも普通の人の何倍も速いと云う回復力に助けられ、歩行は何ら問題なく行えるまでになった。
「姉さん、珈琲飲む?」
「ええ、お願いします」
此処は本部のビルに拠点を置く、遊撃部隊の待機室。
現在、組合からの宣戦布告を受けてから数日が経ち、首領からの指示で作戦を練ったり、書類仕事をしたり、護衛の仕事をしたり・・・
病み上がりだということを理解しているんでしょうか。
そんな私にも休息が必要だろうと、エリス嬢が首領に進言してくれたことでできた休憩時間に、何故か黒蜥蜴の面々と机を囲んでいる不思議な光景が広がる。
珈琲を盆に乗せやってきたのは、正式に樋口一葉として人生を歩むことになった私の新しい妹。
私は必然的に彼女の姉という立場になった。
彼女に酷な運命を背負わせてしまった以上、私もできうる限りの手を尽くさなければ。
「で、姐さん。組合の様子はどうなんだ?」
「あれから大分静かですよね」
「嵐の前の静けさ、ですかねえ」
「・・・」
珈琲の香りが部屋に漂う。
程よい苦みが咥内に広がる。
ほっと息をつけば
「そう云えば、尾崎幹部は泉君を迎えに行くと出ていかれましたが」
さも今思い出したと云うように、そういった広津さんの言葉に一瞬手が止まる。
「・・・ん?え、それって何時ですか?」
あれ、今日だっけ?
「確か二時間ほど前だったかと」
「・・・」
と云う事は・・・。
携帯の着信音が部屋に響き、嫌な予感を感じながらすぐさま応答する。
「・・・判りました。すぐに向かいます」
ああ、やっぱり捕まってしまったか。
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汐里(プロフ) - Re-VI@TANさん» コメントありがとうございます!すいません、完全にミスですね。恥ずかしい。後程修正致します!作品を気に入って頂けて光栄です!一度陥ると中々抜け出せないのが難儀ですよね…応援有難う御座います!頑張ります! (2018年4月8日 9時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
Re-VI@TAN(プロフ) - ブランクではなくスランプ、では?私もよくスランプに陥りますねwでもそれは真剣に考えて作ってるからそこだと思います!先日この作品を見つけ、とても面白くて1日の半分ほどかけて読み続けてました。これからも頑張ってください!長々と失礼しましたorz (2018年4月8日 1時) (レス) id: 1436669b3d (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - 八重桜 蜂さん» 八重桜様、コメントありがとうございます!そう言って頂けて凄く嬉しいです!またぼちぼち更新していくので、楽しんで頂ければと思います。それでは失礼いたします! (2018年2月27日 23時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
八重桜 蜂(プロフ) - 続編とても楽しみにしてましたー!!1のときからずっと見てて、素晴らしい作品だと感心してました()応援してます!!! (2018年2月27日 23時) (レス) id: de911b9147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2018年2月27日 22時