竜頭抗争―70日目 ページ37
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「貴方は素直じゃありませんね」
「君に云われたくはないな」
殴られたのだろう頬を摩りながら、空いた手で此方に手を振る太宰に近づき報告書を手渡す。
「それで白麒麟について何かわかったのかい?」
「多くの事は未だ謎が多いですが、判ったことが一つ。白麒麟が
「何?」
「この数日の間に白麒麟の配下と思われる軍勢が横浜入りしたと報告がありました。恐らく白麒麟に協力する何者かの仕業かと」
「ふむ」
「その軍勢に異能力者が数名存在しているとのことです。まだ動きはありませんが、近いうちに何か仕掛けてくるかと」
そう云った瞬間の太宰の顔はそれはそれは嫌そうな顔で、私も報告を聞いた時に顔に出せるならそうしただろう。
本当、私が何で生きていられてるのかが不思議だ。
「はあ、そろそろ私も働こうかな」
「そうしてください。いい加減にしないと愛想つかされますよ」
「中也に愛想つかされたって痛くも痒くもないさ」
「どうだか」
此処での用はこれで終わり。
だがまだまだ問題は山積みだ。
「ねえ、一葉。抗争が終わったら、久しぶりに君の手料理が食べたい」
「珍しいですね。後そう云う台詞はフラグと云うんですよ。まあ、無事に終われば幾らでも作って差し上げるので、さっさと終わらせてください」
そう云い私は彼の部屋を退出した。
この会話の数日後。
マフィア本部が敵の襲撃に合い一部が爆破され、倒壊した。
事前に白麒麟に下った部隊が不穏な動きを見せていると情報を得ていた私は、爆破され恐れのあるビルにいた構成員へ避難指示を出していたこともあり死傷者は最小限に抑えることができた。
倒れたビルの先には太宰が計画を遂行させていた噴水のある公園があり、救出班が捜索に向かったが太宰の姿はなかった。
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過去のお話ですので名前は「一葉」で固定いたします。
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汐里(プロフ) - Re-VI@TANさん» コメントありがとうございます!すいません、完全にミスですね。恥ずかしい。後程修正致します!作品を気に入って頂けて光栄です!一度陥ると中々抜け出せないのが難儀ですよね…応援有難う御座います!頑張ります! (2018年4月8日 9時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
Re-VI@TAN(プロフ) - ブランクではなくスランプ、では?私もよくスランプに陥りますねwでもそれは真剣に考えて作ってるからそこだと思います!先日この作品を見つけ、とても面白くて1日の半分ほどかけて読み続けてました。これからも頑張ってください!長々と失礼しましたorz (2018年4月8日 1時) (レス) id: 1436669b3d (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - 八重桜 蜂さん» 八重桜様、コメントありがとうございます!そう言って頂けて凄く嬉しいです!またぼちぼち更新していくので、楽しんで頂ければと思います。それでは失礼いたします! (2018年2月27日 23時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
八重桜 蜂(プロフ) - 続編とても楽しみにしてましたー!!1のときからずっと見てて、素晴らしい作品だと感心してました()応援してます!!! (2018年2月27日 23時) (レス) id: de911b9147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2018年2月27日 22時