竜頭抗争―55日目 ページ33
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「また面倒な異能力者が現れたものですね」
部下からの報告に上がってきた謎の男。
何でも抗争をしている“すべての組織”に攻撃を仕掛けている無謀者。
かと思えば、それだけの実力をもっているらしい。
攻撃を仕掛けられた組織は尽く壊滅している。
「川端姐さん、桃水さん。私、帰りたい休みたい」
「あかん、一葉ちゃんが限界迎えそうやわ」
「まあこの抗争だとそうなるわな」
川端姐さんの執務室で口から魂が飛びかけている私の姿にドン引きする二人。
川端姉さんとは川端康成の事である。
マフィアの専属情報員のトップを務める強力な異能力を保持する人物。
因みに男だ。女装した男ではあるが凄く美人。
異能力名は「
目に見えぬもの所謂“霊”や“妖”と呼ばれる存在を使役する能力で、それらの存在を使用し、敵を呪殺することも可能。
情報収集には事欠かない、此方の分野ではある意味最強である。
今日はその力を借りる為に彼の元にやって来たわけだが、尽く面倒な敵だと云う事が判っただけで頭が痛くなりそうだ。
いや、既に痛いのだけど。
桃水さんは半井桃水という。
川端姐さんの護衛役として傍にいる異能を持つ上級構成員の一人だ。
能力名は「濡衣」
その名の通り、他人や組織に無実の罪を着せる若しくは罪を擦り付けると云うもの。
戦闘面では役に立たないが、組織としては重宝する異能だ。
この異能のお陰で窮地を脱したことが何度かある。
彼自身異能が無くても十分強い人物である為、この地位まで上り詰めることができたんだろう。
「それで、その男の容姿は?」
「白やねえ」
「・・・白?」
「そう、全身白い男。異能の詳細もあんまり掴ましてくれはらへん、ほんまけったいな男や」
何処か苛ついたようにそう云った川端幹部を見て思案する。
珍しいこともあったもんだ。彼の異能を持ってして此処まで情報を得られないとは。
「一葉、あんたもこの男に会うたら下手にいろうたらいかんよ」
「ええ、私も無茶はしませんよ」
「どうだかな」
「桃水さんにだけは云われたくない」
(一葉が反抗期)
(阿保な事云ってんで仕事しい。しばくで)
(お前、俺と一葉との対応の差がすげえな)
(そないなこと当たり前やわ)
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汐里(プロフ) - Re-VI@TANさん» コメントありがとうございます!すいません、完全にミスですね。恥ずかしい。後程修正致します!作品を気に入って頂けて光栄です!一度陥ると中々抜け出せないのが難儀ですよね…応援有難う御座います!頑張ります! (2018年4月8日 9時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
Re-VI@TAN(プロフ) - ブランクではなくスランプ、では?私もよくスランプに陥りますねwでもそれは真剣に考えて作ってるからそこだと思います!先日この作品を見つけ、とても面白くて1日の半分ほどかけて読み続けてました。これからも頑張ってください!長々と失礼しましたorz (2018年4月8日 1時) (レス) id: 1436669b3d (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - 八重桜 蜂さん» 八重桜様、コメントありがとうございます!そう言って頂けて凄く嬉しいです!またぼちぼち更新していくので、楽しんで頂ければと思います。それでは失礼いたします! (2018年2月27日 23時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
八重桜 蜂(プロフ) - 続編とても楽しみにしてましたー!!1のときからずっと見てて、素晴らしい作品だと感心してました()応援してます!!! (2018年2月27日 23時) (レス) id: de911b9147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2018年2月27日 22時