竜頭抗争―開幕 ページ30
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六年前______
「___以上が現在の状況となります」
「ふむ・・・これはまた大規模抗争に発展しそうだね」
「ええ。ですが、この抗争で生き残ることができれば__」
「この組織はより大きな力を得る、か」
私は部下と共に集めた情報を報告するため、首領の元にやって来た。
報告を聞いた首領は暫く何かを考えるように黙り込む。
きっと今後、如何駒を進めていくのかお考えなんだろう。
ここ数日間。
水面下で蠢く様々な思惑が一堂に会することになった此処横浜。
切掛けは些細な事だった。
一人の異能力者が死んだこと。
たったそれだけ。ただ、それだけの事の筈だったんだけどねえ。
その人物が只の能力者ではなかったことが災いした。
所有資産約五千億円。
一夜にしてこの大金の所有者がいなくなったのだ。
この後の事は想像に難くない。
待っているのはその所有者不明の裏金を巡る血で血を洗う争いだ。
・・・そう、皆さんも知っての通り「竜頭抗争」の開幕戦が始まったんですよ。
私は早々に離脱したいところなんですがね。
だって私、竜頭抗争の知識が全くと云っていい程無いんですよ。
何となく質の悪い鼠が関わっているんじゃなかろうかと云う憶測しかたたない。
この組織で異能を持たない私の武器は情報と知識、そして銃の腕くらいだ。
それをフル活用してでも生き残れる確率は限りなく低いだろう。
本当に面倒な事だよ。
「我々がこの抗争から手を引くことはあり得ない」
「・・・」
「先ずは先手必勝と行こうか」
差し出された資料には抗争に先んじて横浜に流れてきた組織の情報が記載されている。
「人員は此方で選別しても?」
「ああ、君の判断に任せよう」
「畏まりました」
今の私は下級、中級構成員を束ねる立場にある。
場合によっては上級構成員に協力を仰ぐこともできるだけの発言権がある。
さて、この組織を潰すに足りる人員を集めに行こうか。
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汐里(プロフ) - Re-VI@TANさん» コメントありがとうございます!すいません、完全にミスですね。恥ずかしい。後程修正致します!作品を気に入って頂けて光栄です!一度陥ると中々抜け出せないのが難儀ですよね…応援有難う御座います!頑張ります! (2018年4月8日 9時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
Re-VI@TAN(プロフ) - ブランクではなくスランプ、では?私もよくスランプに陥りますねwでもそれは真剣に考えて作ってるからそこだと思います!先日この作品を見つけ、とても面白くて1日の半分ほどかけて読み続けてました。これからも頑張ってください!長々と失礼しましたorz (2018年4月8日 1時) (レス) id: 1436669b3d (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - 八重桜 蜂さん» 八重桜様、コメントありがとうございます!そう言って頂けて凄く嬉しいです!またぼちぼち更新していくので、楽しんで頂ければと思います。それでは失礼いたします! (2018年2月27日 23時) (レス) id: 77540e590f (このIDを非表示/違反報告)
八重桜 蜂(プロフ) - 続編とても楽しみにしてましたー!!1のときからずっと見てて、素晴らしい作品だと感心してました()応援してます!!! (2018年2月27日 23時) (レス) id: de911b9147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2018年2月27日 22時