第四十六話 ページ46
五条先生が帰ってくるからと朝から何だか落ち着かなくて別に汚れても無い部屋の掃除を始めた。
これで少しは落ち着くかな、なんて思いながらも視線が時計ばかりにいって全然ダメみたい
一週間って言われたから今日まで待ってたけど何時に戻るか聞いてないから分からない
というか私、五条先生の連絡先すら知らない…
『ま、まあでも？もう戻ってるかもしれないし？』
連絡なんてしなくても先生が戻ってれば問題ないんだから！とちょっと悲しくなった気持ちを無理やり振り払う
とりあえず、職員室にでも行けば戻ってるか分かるよね？？
・
「Aの階級を上げる気は無いよ」
扉越しに聞こえてしまった言葉に職員室の扉を開けようとしていた動きが止まった
扉に手をかけたのに開けることも出来ずそのまま耳をかたむければ中から伊地知さんの慌てた声が
「一体どうしてっ、階級をあげるため彼女は･･･」
「分かってる、だけど今はまだダメなんだ。このままじゃ」
五条先生が何か言ってるけど話が耳に全く入ってこなくなった
なんで、だとか階級をあげるって話してたのに騙してたの？とか、言いたいことは沢山出てきて
だけどそれを全部口に出せば、言葉より先に涙が溢れ出そうだった
結局何も言えないまま、聞こうともしないまま、走ってこの場から逃げて、とにかくこの場から離れたくて
だけど我慢していたのに勝手に涙は流れてきて、その涙を拭う気力もないまま私は無我夢中に走って部屋に閉じこもった
悲しくて、苦しい、五条先生の言葉が嘘であって欲しかった
『ッ、うぅ、･･･な、んで』
やだやだやだ、夢であって欲しい
そう思いたいのに、勝手に止めどなく溢れる涙が私が傷ついた事を証明して、この痛みが、現実だと訴えてくる
『全部うそだったの、ッ』
一人になった部屋に自分の弱々しい声がやけに響いて、口にしてから気付いた、やっぱり口に出したらダメだって
『っ、』
もうどうすればいいか分からないよ、そう思っていればトントンっと扉を叩く音が響く
だけど今は誰にも会いたくない、いやこんな状況で会えるわけも無い
誰か分からないけど今は体調が優れないからと断りでも入れて後でにして貰おう、そう思ってここから声が届かないからと扉に向かえば
「僕だけど、お土産買ってきたよ」
なんて扉越しに今一番聞きたくない人の声
なんで、と自身の口を抑えて何も声を発さないまま扉から後ずさる。なんで、どうして来たの
五条先生･･･
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サクサク(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます。頑張りますね！ (2022年11月3日 6時) (
レス) id: ca8e59d07e (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - ｸﾞﾊｯ､､､､､､ﾁｰﾝ（キュン死）面白いです､､､､､､ﾁｰﾝ (2022年10月30日 12時) (レス) @page42 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
サクサク(プロフ) - 吹雪さん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいお言葉でこちらもきゅんとしました、とりあえずハンカチ投げときますね！応援に応えられるよう、頑張らせていただきます。 (2022年10月19日 7時) (レス) id: ca8e59d07e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - きゅん…スッゴい好きです！これみてると涙止まらなくなる！応援してるぜ！ (2022年10月19日 7時) (レス) @page40 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
サクサク(プロフ) - シャチさん» 確かにカッコイイ声ですよね、五条さんって。更新頻度は遅くて申し訳ないですがゆっくり更新させていただきますね。 (2022年10月13日 6時) (レス) id: ca8e59d07e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくさくびすけっつ | 作成日時：2022年8月11日 7時
