五条先生に嫌われてるっぽい

第三十八話 ページ38

本当に待って欲しい、近い。近過ぎるって

というかあれ？なんでこうなったんだっけ、私何してたんだっけ？なんでここに来たんだっけ？

なんてもうこの怒涛の展開に脳がついていけない

だけどひとまずは目の前の五条先生をどうにかしないと不味い。近過ぎてぶつかる、痛いのはいや。

『先生、ちょっと近過ぎます･･･』
「答えになってないから。なんでこんな呪力乱れてるのって聞いてるんだけど」

私の言葉は見事にスルーされ、その事に傷つく間もなく五条先生が更に近づいてきた

この間見た先生の綺麗な瞳がじーっと私を見つめてきてまたあの吸い込まれる感覚に陥って視線が逸らせなくなる

あぁ、ダメだ、私きっとこの瞳に弱い

そう経験したことの無い感情に勝手に頬に熱が集まっていく。いやもうさっきからずっと顔が熱いんだけど、余計に

「ねぇなんで」

五条先生が優しく聞いてくるその声色に、気づいた時には先生の手が私に迫っていて、触れられてしまった耳を何も言わないままゆっくりとした動きで撫でられた

『っ、なにするんですか！』

瞬間ハッとして繋がれていないもう片方の自分の手で耳を隠して先生を睨む。今のなに？！なんだったの、どういう意図があるの、

耳を触られただけなのになんだかくすぐったくてなんとも言えない恥ずかしい気持ちになった。なんか耳が変な感じがするし、なにこれ

「答えて欲しいならそっちが先だよ」
『はい？』

意味が全く分からない。そう表情が顔にも出てたのか五条先生は「呪力乱れた理由」と再度聞いてきた

『そんなの先生が近いか･･･』

その続きを口にしようとして、すれば私が恥ずかしい思いをすると瞬時に理解して慌ててとどまった

危ない、自分で自爆するような真似するとこだった

「僕が近いとなんなの」

だけど五条先生は分かってないのかなんなのか、不自然に止まった言葉を追求してきた

いや分かるでしょ！恥ずかしいんですよどう考えても！とは口に出すとやっぱ余計に恥ずかしいので言えない

なんで伝わらないかな、分かるでしょ。というか分かってください？！

先生のこと全然分かんないよ、と訝しい視線を向ければそんな私をみて突然お腹を抱えて笑いだした

『な、なんですか急に』
「はあ、面白い。前から思ってたけど･･･案外馬鹿だよね」

はい？なに？前から思ってた？！というか急にめちゃくちゃ失礼過ぎて傷付くとこなのだろうけど先生の情緒が分からない

とりあえず急にディスられたからもう帰ろうかな

第三十九話→←第三十七話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す