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「なんか、顔に付いてる？」

『あ、いや、べつに…』

どこか見透かされているような視線に耐えられず
視線を逸らそうとするとそれを阻止するように
目の前に携帯が差し出される。

目の前に差し出された携帯には
カトクのQRコードが表示されていた。

「バイトのグループがあるから入って！」

言われた通りに
ポケットから携帯を取り出しQRコードを読み取る。

パッと画面が切り替わり、
追加された彼のアイコンを見て思わず目を見開いた。

『え、こ、これ…パクチソン！？』

思わずジェミンの顔を二度見する。

「うん。知ってるの？」

『いや、知ってるも何も…お、推しだし…』

“ 推し ”

その言葉を言った瞬間彼の目がキラッと輝いた。

「え、Aも好きなの！？パクチソン！！」

『うん、もしかして…あなたも？』

「うん！うわぁ、まじか…
こんな身近にオタク友達ができるなんて…
というか、あなたなんて他人行儀な呼び方やめてよ
ジェミンって呼んで？」

そう付け足して嬉しそうに微笑んだジェミンは

これからよろしくね

と腕がもげそうなほどに熱烈な握手をしてくれた。

『あ、はは…よろしく』

その後もジェミンの興奮は収まる気配がなく

チソンのここが可愛いだとか、
この時のチッケムが最高だとか、
この日の空港ファッションはレジェンドだとか、

一体いつどこで息継ぎをしているのかと
問いたくなる程にベラベラと
チソンへの愛を語りつづけるジェミン。

口を挟む隙もない彼のパクチソン愛に圧倒され、
ただただ愛想笑いを浮かべることしかできなかった。

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