FULL TIME (ページ3)

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「コンビニでのバイト経験があるって言ってたし、
　基本的な仕事内容は説明しなくても大丈夫かな？」

『…多分、平気です。』

「まぁ、何かわからないことがあったら誰かに聞いてくれればいいから」

『わかりました』

「じゃあ、早速だけど…
　今日は品出しお願いしてもいいかな？」

突き当たりを左に曲がったら
誰かしらいると思うから声掛けて。
あ、あと出なかった分はこれにチェックをお願い。

と早口で捲し立てられ、
ペンとバインダーを手渡された。

席を立つ前によろしくお願いしますと形ばかりの
挨拶をすれば笑顔でよろしくねと返される。

やっぱり、この人絶対いい人だ。

さっきは右に曲がった突き当たりを左に曲がると、
いかにもバックヤードといった空間が広がっていた。

先ほどの通路と同様に
段ボールが何段にも積み重ねられている。

段ボールの間を縫うようにして進んでいくと、
先程マークさんに渡されたバインダーと同じものに
何かを書き込んでいる男の人がいた。

『あの…』

「…ん？」

声を掛ければ、怪訝そうな表情で顔を覗き込まれる。

誰だこいつ？とでも言いたげな表情だな…

私には分かるぞ
口には出さずともその表情が物語っている。

『今日から入りました。AAです。
　よろしくお願いします。』

今日あとこのやりとりなんかすればいいんだろう…
なんて思いながらありきたりな挨拶をする。

「あぁ…バイトのナジェミンです。よろしく」

爽やかすぎる笑顔付きの
人当たりの良さそうな挨拶が返ってくる。

さっきの店長もだけど、ここの店イケメン多いな…

その整った顔に思わず見惚れていると
ふっ、と笑う声が聞こえる。

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